「俺はもっと本気出してないだけ」 と一緒に買いました。
タイトルの「五反田物語」の他に 「市野沢くんの話」 「くらし」 「ふえる男」 等が収録されているのですが、
「五反田物語」にだけちょっと感想書きます。 恋愛がらみだから、美化していないと言うと嘘に なると思いますが、汚れた感じが全然しなくて なのに嘘っぱちな感じも全然しない。
なんかすごく素敵に見えました。
とある本屋でプッシュされていた1巻を買ったのはいつだっただろうか。 可もなく不可もなく、それからも、新刊を見かけては惰性で買い続けていました。
そんな本作もこの巻で完結なようで 今までどおり、惰性で買ってみました。
40すぎにして脱サラ、漫画家デビューを目指してみたが、荒唐無稽な駄作ばかりを量産し、編集者からも呆れられていたシズオ。 そんなシズオが描いたあるマンガが作中作として掲載されています。(26ページ中表紙含めて12ページ) 編集者からも指摘されている通り、とてつもなく地味。しかもありきたりでストーリー性も低い。 現実世界の我々は作中作として読んでいるわけですが、作中世界の読者がいきなりこれを読んで好評を得られるとはとても思えません。
でも、我々は、シズオやそのまわりの人々の人生を見ながら、その作中作を読むわけです。 すると、不覚にも、、泣いてしまいました・・・
マンガを読んで泣くのはいつ以来か。よりによってシズオの描いた漫画に泣かされるとは・・・ そんなわけで、読み終えてみると、切らずに買い続けてよかったな、と思えました。
オビで知りましたが、2013年に堤真一主演で映画化するそうで。 イメージが全く合いませんが、ちょっと見てみたいかな。
シズオ、会いたかったよ。
ダメ男の代表、シズオによる「俺はまだ本気出してないだけ」のスピンオフ。 会いたかった面々がくまなく登場して、読み切りなのがうれしい。
もうすでに、マンガというより、質のいい短編小説を読んでいる気分です。 もったいなくて、ちびちびと味わいながら読み進めます。
かつては、マンガ=読み捨て、という図式があったと思いますが、 この本では、マンガ=大事に読む、というのが「あたりまえ」に 思えます。
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