「幻の傑作」とは、いささかありふれた表現だが、この映画の場合、1995年にミニシアター系で公開されて以降、これまでDVDどころか、セルスルービデオでも発売されていない。 レンタルビデオでのリリース本数も少なかったようで、中古市場では価格が高騰した。 (ネットオークションでは、中古VHSソフトであるにもかかわらず、1万円以上で落札されていた) そんな、知る人ぞ知る、そして知ってしまったら1万円出してでも、もう一度見たいと思うような作品なのだ。 文字通り「幻の傑作」としか、言いようがない。 サックス奏者の阿部薫は、若松孝二監督のあるピンク映画(書いたら規制にひっかかるようなタイトル)の音楽を担当し、本人のような役(河べりでひたすらフリーブローイングをする男)で出演した事があった。 生前の本人と、その音楽を知る監督が、まだ小説など書かずに尖っていた頃の町田康を起用して撮った作品だけに、なかなか痛くて切ないものがある。 阿部薫も鈴木いづみも知らない世代の方には、西原理恵子の漫画をいっそうヤバくしたようなストーリーです、観る人を選びます、と言えば、おわかりいただけるだろうか。
とても不思議な、物語の追い方をしている。 映画撮影の様子や、インタビュー、オフショットも入り、出演者はそれぞれ[日本に映画の撮影に来ているフランス人女優、ベアトリス・ダル]、[日本人俳優、馬野裕朗]、[作家で歌手で俳優もやる、町田康]と、[映画の監督である、諏訪敦彦]ということ前提に、展開していく。 [ヒロシマ・モナムール]のリメイク版を作るノンフィクション映画は、いつしか、異国で女優業に行き詰るフランス人と、言葉の通じない日本人男性との心の繋がりを描いていく作品になっている。 この作品のレビューを書くには、私には力不足でした。 だけれど、作品としての作り方が物凄く面白い映画です、という事は伝えたい。 町田ファン必見。かなり素らしい姿でカメラの前で過ごしてます。
途中まで小説を読んでから見たが小説を読んでない部分は良くわからなかった。しかしわかるとかわからないとかいう問題でなくこの疾走感とわけのわからなさが良かった。佐伯ひなこは適役すぎるほどぴったり。 原作にでてくる特異な外観の店を忠実に再現して欲しかったが。テンション低いときに見るもんじゃないかな
人を突き放したような陰惨な言葉も、町田康の力みすぎ(いい意味)な熱唱でもって独特のまぬけ感が醸され、嫌みがなく思わず和んでさえしまいます。そしてそれによって世界観の美しいイメージが損なわれる事はなく、鮮彩さが一層際立っています。こういう技を繰り出せるのは恐らくこの人だけでしょう。 アルバムタイトルにもなっている「どうにかなる」は映画「ジャンクフード」のエンディング曲にも使われました。
言わずもがな、町田康の小説が映画化されたもののヴィデオ版。小説はストーリー性がなくて、ギャグがふんだんに取り入れられてて笑えるんですが、やはり映像化には無理があったのでわ?暇つぶしには良いのかもしれませんが、ストーリーを楽しみたい人とかいう人には取り敢えずお勧めは出来ません。でも、ムッシュかまやつとか鳥肌実とか、個性的な俳優さんが出てるというのはすっごく良いです。そういうわけで、かろうじて三ツ星☆
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