自分は中学生の頃「じゃりン子チエ」を読んで以来、 「日の出食堂の青春」も「ガチャバイ」も「どらン猫小鉄」シリーズも全て読むほどはるき作品のファンになってしまいました。 高校生の頃じゃりン子チエのファンサイトでこの本に収録されている単行本未収録作品の存在を知り、「単行本化されないかな」と思ってから9年、 これらの単行本未収録作品+幻の初期作品集「舌町物語」からの短編3編+はるきさんが漫画描き始めた頃の未発表作品を収録した単行本が発売されると知り感激でした。 個人的に「伝説」と未発表作品の「翔と影絵」「待つ戦士たち」は「じゃりン子チエ」等のコメディ作品とは違いはるきさんの作品のもう一つの世界観が見られたような気がします(「どらン猫小鉄」も似たような感じですが)。 個人的に90年代に発表された短編作品が面白かったです。 出てくる人がみな温かい「オッペラ甚太」 腹違いの兄弟が再会するという普通なら暗くなりがちな題材だが、実際に読んでみるとさわやかさを感じる「西の幸福」。 売れない漫画家の青年と一癖も二癖もある元気な4人の老人が出てくる「夏の虫」(個人的にはこの作品集で一番好きな作品)
エッセイ漫画風の「すがすがしい1日」、 乱暴なのにどこか憎めないテツみたいな男が出てくる「エンゼル」 などが個人的にお気に入りです。 あと80年の作品ですが「力道山がやって来た」はラストで少し涙しそうになりました。 それと主人公の咲が安っさんというオヤジに言っていた 「格好で人嫌うような人間はカスやて先生ゆうとったど」と言うセリフは名言だと思います。 あと、はるきさんの作品の絵はアナログな感じはしますが決して古い感じはしないです。多分、十年後に読んでも古くは感じないと思います。 すばらしい作品集ですが星を4つにしたのは装丁が不満(普通の青年誌のコミックス(ワイド版ではない方)に無理やり沢山ページをつけた感じ。何回も繰り返し読んでいたらページが中で割れそうです。)だからです。もう少し値段を上げても良かったから愛蔵版の様なしっかりとした装丁にして欲しかったです。そこだけ残念です。
このBOXでチエちゃんのテレビシリーズは終わりですが、更に 関西地方のみで継続された続編もBOXシリーズで登場します。 その前に、ここまでは鑑賞しておきましょう。 登場人物もぐんと増えてきてます。
大阪の西萩に住む竹本チエは、小学5年生にして家業のホルモン焼き屋を切り盛りしている。そんなチエの父親テツは、バクチとケンカが趣味という、とんでもない不良中年。母親ヨシ江は、テツに愛想をつかして家を出ている。何とかお母はんに帰ってきてほしいチエは、テツを就職させようとあれこれ知恵をめぐらす。果たして「親子3人で暮らしたい」というチエの願いは叶うのか?・・・ 大人気の漫画のアニメ化ですが、ほとんど原作と変わらずにストーリーが進められているので安定感があります。笑いと人情たっぷりの物語ながら、時に泣かせてくれるエピソードもあって、「ええ話やなぁ」としみじみ感動してしまいました。 台詞は全部関西弁ですが、何の違和感もありません。それもそのはず、声優には西!川のりおさん、京唄子さん、島田紳助さん、桂三枝さん、笑福亭仁鶴さん、芦屋雁之助さんなど、豪華なメンバーが揃っているのです。そして猫のアントニオJrと小鉄には、伝説の漫才師、横山やすしさんと西川きよしさんが声の担当をされています。絵柄もスッキリしていて、チエちゃんも可愛いです。ストーリーも声優も一流の映画だと思います。
1979年から80年までカスタムコミックというマイナー誌に連載されたはるき悦巳の隠れた名作です。長らく入手困難でしたが、「力道山がやってきた」と並んで新装版として出版されました。 内容は、30年前でも既に過去の遺物になりかかった商店街に暮らす、高校にも進学せず、家業も手伝わない、ボンクラ息子4人組の青春記です。 作中でも映画館「銀映」がなくなり、日の出食堂の親父も商売の先行きを案じている中、その後の30年間彼らがどう生きてきたか、とても気になります。
今回の商品は、以前発売されたDVDBOXのようにブックレットなどは付いていませんし、DVDに一覧できるチャプターメニューはありません。 価格が安く設定されているので、それは仕方がありません。 今回の目玉はメモリアル・サウンドトラックCDで、私はこれが欲しくて以前に発売されたDVDBOXを持っているにもかかわらず購入しました。 TV版・劇場版両方のBGMで初めてCD化された曲も多く収録されています。「アニメ・ミュージック・カプセル『じゃりン子チエ』」 の項で他の方が述べておられる「ひみつのデイト」ロングバージョン 、「『ゴジラの息子』を観ているシーンの曲」、 「マラソン大会後テツが雨の交番に居るシーンの曲」 等も入っています。そして収録されていないものも含めて全ての音楽リストと解説も付いています。またそれぞれにはもともと曲名は付いていなかったのですが、今回は曲のイメージを伝えるためコメントが付記されています。 私は特にTV版の方の「センチメンタル[笛]」が初収録されていたのが大変嬉しいです。2度もCD化された「センチメンタル[ハーモニカ]」も良いですが、私は笛バージョンの方が好きで、チエちゃんとヒラメちゃんのホロリとする場面を思い出します。「哀愁[ハーモニカ]」も聞きなれた曲でこれまでもCD化されていますが、今回は「哀愁[トランペット+フルート]」も初収録されています。私は記憶がないのですが、これも心が揺さぶられる曲です。 欲を言えば、ビジー・フォーが歌った劇場版の主題歌「じゃりン子チエ」および挿入歌「春の予感」のフルコーラスも収録していただきたかったですね。「春の予感」のワンコーラスは以前にもCD化されていますが、とても良い曲なのでぜひフルコーラスが聴きたいです。
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