スウェーデンのプログレメタル、ペイン・オヴ・サルヴェイションの2011年作 スタイルとしてProgMetalから脱却し、古き良きロックの質感を押し出した前作の続編で ダニエル・ギルデンロウの熱き歌声を中心にした、アナログ感覚あふれるサウンド。 70年代的なオールドなギタートーンと、どことなく土着的なシンセの旋律、 プログレッシブというよりはヴィンデージ調のロックという言葉がぴったりとくるような。 プログレメタルのファンではなく、間違いなくオールドロックのリスナーが歓喜する音だろう。 血の通ったロックへの回帰、それがダニエルの目指したコンセプトであるなら、 完璧なまでになし遂げた白と黒の2枚と言えるだろう。時間の流れを超えた力作である。
スウェーデンのプログレッシブ・メタルバンド、ペイン・オブ・サルヴェイションのライブDVD。2005作 彼らの5枚目のアルバム「BE」をライブで完全再現したもの。 当然のように、単なるライブ作品ではなく、映像にも気を配られたある種映画的な作品。 奥行きのある、まるで舞台のようなステージ上にはグランドピアノや管弦楽隊、中央には池まである。 バンドメンバーのみならず楽隊の面々も白塗りで化粧をした、一種異様な雰囲気の中演奏が始まる。 白い衣装で登場するダニエル・ギルデンロウ、マンドリンを弾きながら歌いはじめる。 パーカッションとマンドリンの音色に彩られた、およそメタルらしからぬ民族的なイメージの楽曲。 ピアノとストリングスの美しい間奏曲や、コンセプトに沿ったSEと映画的な映像などをまじえつつ、 演奏はときにはヘヴィに、あるいはプログレメタル的な変拍子を盛り込んでいきながら 全体的には楽曲はゆるやかに、粛々と進行してゆく。曲のコンセプトによって、 髪を束ねサングラスをしたり、ジャケットを着たりして役を演じながら歌うダニエルの姿は、 まるで舞台の主演男優のようだ。音だけでは伝わりにくいだろう曲のコンセプトとビジョンとが、 このDVD作品ではシアトリカルなステージと映像編集のおかげで、視覚と聴覚とがシンクロして感じられる。 楽曲単位としての爽快感や、演奏での見せ場がさほどないという点ではプログレメタルファンからすれば やや物足りないかもしれないが…これが鬼才ダニエル・ギルデンロウの世界であり、 彼の中ではすでに表面的な音楽や曲の技巧うんぬんなどは超越しているのかもしれない。 人間の外面と内面をえぐるような、この音と映像によるコンセプト作は テクニック、楽曲云々ではなく、内面に語りかけるプログレッシブロック作品として屹立している。
緻密かつ美しい楽曲構成、ギルデンロウの圧倒的歌唱力、各パートの演奏能力・・・
どれをとっても文句のつけようがないです。
作品は完璧なのであとはこちらが質のいいオーディオ環境をそろえるだけだと思いますね。
イヤホンで楽しむには音の情報量が多すぎて逆に薄っぺらになってしまった(ギターが厚いのでリズム隊が埋もれます)ので
良いヘッドフォンないしスピーカーが欠かせないかと思います。
この作品のレビューとは関係ないのですが、ライブの完成度も素晴らしく高いのでぜひ来日してほしいバンドです。
頭2曲、ラップ風のヴォーカルをフィーチャーした呪術的な曲調には萎えた。実験精神は買うが、個人的にラップは苦手なので…ラップが平気な人は楽しめるんじゃないかな。まぁ、元々プログレのようなオルタナのようなという独自の音世界を持ったバンドなので、驚くべきことではないのかもしれないけどね。
3からは叙情的でいて、複雑なアンサンブルをフィーチャーした、従来のこのバンドらしい音世界が展開される。シャープな4からタイトル通り、ディスコビートを取り入れた5の流れが私は好き。まぁ5はちょっと長い気もするが。
エンディングが呆気ないのがなぁ…4のような曲がもう1,2曲あると印象も変わると思う。
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