瀬尾まいこは2冊目なのだが、読んでいてなぜか安心できるなぁと思っていたが、 この本を読んでいて、その理由がわかった。 私と作者は、育ったところがほぼ同じなのだ。 おそらく小学校は、お隣さんだろう。 「大和川の橋の下で拾った子」 大阪市南部で育った人は子ども時代に一度は言われた経験があるだろう。 いわばルーツが同じなのだ。 世代的には一世代違うが、脈々と続く大和川への思いが感じられて、うれしかった。
さて、作品だが、 「卵の緒」は坊ちゃん文学賞大賞受賞作。 46歳のおっさんにとって、取り立ててどうという話ではないのだが、 人物が生きている。 こういう書き方をすれば文学賞がとれるのかというテキストになりうる本である。 「7’blood」。 私はこちらのほうが好きだ。 こちらもまた、人物がよく描けている。 結構はまってしまった。
うちの子が女の子なら、ぜひ読ませたいところだ。 中年のおっさんにお薦めはしないが、 こんなファンもいるということで。
登場する家族は各人とも心に何らかの傷を持っており、崩壊ぎりぎりのところで危うくとどまっている状態です。映画はその辺りをあまり深刻にならずに淡々と描写するため、ある出来事をきっかけに再生に向かう(であろう)終盤の描写が、それほどカタルシスを伴って伝わってはきません。これを抑制の効いた演出とみるか、描き込みの深さが足りないとみるかは人ぞれぞれでしょう。
ただ、この映画、北乃きいと勝地涼のラブストーリーと単純に割り切って観ても充分な満足が得られるのではないでしょうか。二人のふれ合いをみているだけで、悲しい場面でも無いのに自然に涙腺が緩んできてしまいました。それほどこの二人はさわやかで初々しく、素晴らしかったと思います。
ラストはミスチルの主題歌が流れる中、堤防を歩く北乃さんをとらえたショットが非常に印象深かったです。琴線に触れてくる印象深い台詞もいくつかあり、時間を割いて観る価値のある良質の作品だと思いました。
最近リリースされたリーズナブルなベストシリーズ第一弾だ。A面B面それぞれあって、A面だけでも5枚リリースそれもおニャン子解散の工藤静香「禁テレ」と区切っているにもかかわらずこの物量は当時のブームの凄まじさを感じる。価格も2000円と極めてリーズナブル。 しかもこのシリーズは年代順配列というのを忠実に守っているのでランダムな歌手を時代順に聞けるのが良い。「セーラー服」の頃と「禁テレ」わずか2年強だが楽曲の時代と共の進歩が目覚しい。 この曲に収録されているのはおニャン子黎明期で限られた歌手が歌っていた印象が強いが既にこの頃でも1位を席巻していた。
バレー部の顧問になりたいというだけで 高校の国語の講師になったのに、 任された部活はまさかの文芸部…!!(しかも部員は1人)
はじまりからしておもしろい! 本を読むのが大好きな人も、文学の何がおもしろいの?という人にも 是非読んでもらいたい一冊。
見た目は明らかに体育会系、唯一の文芸部員垣内君と これまでバレー命!できたのでなかなか文芸部が理解できない清。 二人の会話がすごくいい。 さばさばとした、時に素っ頓狂な清の発言に対して 実に的確で淡々としているのに優しさのある垣内君の返し。 本当にすごくいい。
山本幸久さんの解説にも、とても共感。 私も垣内君の意見に激しく賛同します。 文学はすごくおもしろい。 これからも文学を勝手にたのしくやっていきます。
6人の中学生が、それぞれ適度な距離感で描かれている。 みんなそれぞれ大変だ。みんなそれぞれがんばってるんだ。 そして今はとりあえず駅伝で One for all,All for one。 エピソードの一つ一つは面白く読める。 全体がつながっている感じも、ははあ、仕掛けているなあと思う。
そういう物語だ。教師も、いい人だけどそれだけ。 中学生は、バリエーションをつけすぎてとっちらかった。
何を描きたかったのかが、作者にとってもわからなかったのではないのか。 今一つ夢中で読むことができなかった。
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