日本アニメーションの黎明期から、半世紀にもわたって常にアニメ界の第一線で活躍し、今日の日本アニメやクリエイターに多大なる功績と影響を与えた日本が誇る偉大なる映像の魔術師・りんたろう。 本書は、りんたろう氏自身が50年近く携わってきたアニメーション人生の軌跡と自作を語り、また関係者が語る氏について興味深い内容となっている。
・ 不死身の機械の身体を求めて謎の美女・メーテルともに宇宙の旅を繰り広げる松本零士原作による初の劇場監督作品『銀河鉄道999』〈1979〉 ・ 宇宙にある全存在を滅ぼそうとする謎のエネルギー体である《幻魔》と、それに立ち向かうサイオニクス戦士たちとの攻防を描いた角川映画初の長編アニメ作品『幻魔大戦』〈1983〉 ・ 幕末の動乱を背景に、過酷な運命に翻弄されながら闘い続ける“抜け忍”の若者・次郎の冒険を描いた伝記ロマン大作『カムイの剣』〈1985〉 ・ 人造人間の美少女ティナと少年ケンイチの淡く切ないラブストーリーを軸に巨大都市国家の興亡を描いた手塚治虫の初期のSF長編作品『メトロポリス』〈2001〉 ・ ペンギンコートを着て夜な夜な街を散歩する少女ココが異世界に連れてこられ、冒険を繰り広げる初めてフルCGに挑んだ長編アニメ『よなよなペンギン』〈2009〉
りんさんといえば、私的には『さよなら銀河鉄道999』や角川アニメの影響が大きいが、今回インタビューで以外にも監督自身や周囲の『さよなら銀河鉄道』への作品評価が低い事に私自身は大好きであっただけに驚いた(しかし、エッセイで『時をかける少女』の細田守監督がこの作品を絶賛されている事に溜飲を下げる思いがした)。
他にも当時日本映画に革新的大旋風を巻き起こした時代の寵児・角川春樹との出会いで従来のアニメとは異質な作品を作ろうと当時まだマイナーであった大友克洋を『幻魔大戦』のキャラクターデザイン担当に大抜擢するなど、アニメにも革新的旋風を巻き起こそうとした挿話は興味深い。
現在も最新作『よなよなペンギン』でフルCGに初挑戦しようとするあくなき探究心は素晴らしいと思うし、これからも生涯現役で名作を作り続けて欲しい。
映画が公開された時、私は鉄郎と同じ15歳でした。 自分の将来、夢、憧れがごっちゃになってまさに自分と鉄郎が重なり合い、 何度見ても40歳になった今も胸に甘酸っぱいものがこみ上げてくるのです。 特に鉄郎がひどい目にあっているところにドクロのコスチュームのハーロックが「あの音楽」と共に現れるシーンなどは今だに涙がにじんでくるほどなのです。「なぜ僕を助けてくれたのですか?」という質問に「友の墓を建ててくれたからだ」と答えるハーロック。人生における「義理・人情」というものの 原点をこのシーンで学んだ気がします。 15歳の自分のそれからの人生にこの作品の影響があったことは否めません。 それほどに自分の中では大事にしている作品なのです。
タイトル通りの一枚です。 とにかくジャケのオカリンのかっこよさは異常(笑)
学生時代に本作品の超能力表現の美しさに魅了され「アニメとはなんて凄いんだ」とか驚愕していたのが懐かしい。 その当時の驚愕がブルーレイでそのまま蘇りました!! 本作品はキャラクターデザイン、作画、ストーリー共に今観ても独創的なものがあり現世代のアニメファンの方達にもぜひとも観て頂きたい一本です。特にベガのデザインが凄い。 内容は宇宙からくる「幻魔」という巨大なる邪悪に地球上の超能力者達が結集して立ち向かうというもの。 全地球を舞台にしておりスケールが大きく、しかも「日本から世界へ」とキャラクターが移動していくなどいろいろ王道を踏んでいるストーリーライン。主人公は一度挫折して立ち直るなど成長の物語でもありよく練り込まれたストーリーである事が分かる。 個人的には幻魔ザメディの暴走シーンが当時そうとう衝撃を受けたシーンでありアニメ史上歴史的瞬間だったと思う。 SF好きな方にぜひ。
1〜4まで一気に読みました。 シリーズ通して「シリアルキラーによる、かなりエグい殺人」がメイン テーマなんですが、会話文主体の軽い文体のせいか サラッと読めます。 逆に言えば「こんな軽いノリなのに、こんなグロくて救いの無い 展開になるとは!」なわけで、それがまたいい感じ。 この辺り、誉田哲也さんの小説に通じる匂いがありますね。 但し、イマイチな点もいくつかあります。 まず、「主人公は、おえらいさんだけのチーム」という珍しい設定が ほとんど活かされていないです。リーダーの山根さん以外は、 別におえらいさんじゃなくても話に全く影響無いかと。 SROだからこその捜査方法でじわじわと犯人に迫る!というよりは 「単に運が良いだけ?」なところも不満です。 加えて、メインキャラとも言える近藤房子がハチャメチャなモンスター すぎて、「SROが知力を結集して近藤房子と手に汗握る闘いを繰り 広げる」というよりも「房子さんスゲーw ちょー容赦ねーw」みたい な話になっちゃってます。 読んでてドキドキはするんだけど、ヒリヒリする緊張感が あまり無いというか。 5が出たら絶対に即買いしますが、「モンスター房子大暴れ!」なノリ ではなく、緊張感溢れる緻密なバトルを是非見せて欲しいです。 ちなみに、個人的には 1=4>3>>2 という面白さ順でした。
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