Xのアルバム「Jealousy」に収録されているバラード曲「Say Anything」のシングルカットで「Ballad Collection」にも収録されている「Say Anything」。メンバーの「Taiji」が脱退する前の最後のシングルである。 本アルバム収録のとき、Xのメンバーは健康状態がよくなかった。というのも日ごろの練習で、身体的に疲れていた。メンバーの一人「Yoshiki」は、一度はこの作品をだめにしようと考えたらしい。 そんな経緯を持つこの作品だが、内容は至って美しいものだ。 序盤では、ストリングスが透き通るような美しさで聴く人を魅了したところで、Yoshikiのピアノ・Toshiのボーカルが入る。Yoshiki特有の、流れるようなピアノの中で曲は進む。中盤にはこれまた美しいギターソロ。やがて静かな静寂の後、曲はクライマックスになる。どこか悲しげな主旋律を繰り返しながら、曲はフェードアウトしていく。 最も言及すべきはその歌詞の美しさであろう。言葉一つひと!つにとても大きな意味があって、味わいがある。 カップリングには、「Silent Jealousy」のライブ・バージョンが収められている。こちらも聞き逃せない。先ほどの「Say Anything」とは打って変わって激しい曲調だが、その主題といい、雰囲気といい、どこか通じるものがある。こちらではYoshikiは前奏を除いてドラムをたたいている。
93.9.4リリース オリコン2位 84.4万枚 作曲 栗林誠一郎 84万枚も売り上げてトップにならない辺りがいかに当時音楽業界でCDが馬鹿売れしていたのだというのを裏付ける。また個人的趣向にもよりけりだが、楽曲的にもシンガーソングライターで自作というよりプロ作曲家に作るケースが多かったので充実した曲が多かった気もする。 思えばこの曲は負けないで-君がいない-揺れる想いとバンバンヒットを続け路線に乗っているときにリリースされた曲だった。今までのノリの良さとは程遠いスローテンポの悲しいバラードで万人受けするような曲調では無い印象がある。しかし、敢えてリリースする辺りが流石だと思わせた。しかしその不安とは裏腹に前者の3曲と引けを取らないセールスを挙げていたのはそのような曲調もまたZARDの得意とする分野だというのを裏付けた。 イントロはドラムから始まり特に華のある見せ場がある曲という訳ではないが朗読調に語る坂井のボーカルや間奏のボリュームペダルを使った泣きのギター等シンプルながら惹かれる曲でもある。 この詩には神戸という言葉が踊ったが、その後阪神大震災が起こり再びこの曲を思い出す事になった。
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