グルベローヴァが最も得意とする数々のアリアの詰まった1枚。 特に《魔笛》夜の女王のアリアは素晴らしく、高音が見事で聴いていると声ではなく、まるでフルートの音のようだ。 コロラトゥーラのの超越技巧、グルベローヴァの音楽的センスが見事に調和し何度も聴き入ってしまう名曲の数々。
2008年のウィーン歌劇場来日の際に演目となったので国内でも注目された作品だと思います。現代の休廷に舞台を移しての演出に多少のとまどいを覚えたものの、見るにつれ演劇的にもすぐれた演出だと感心させられました。グルベローヴァの全編を通しての絶唱には画面へブラヴォーを送りたくなるほどですが、やはり圧巻は終幕での狂乱の場、私はルチアの狂乱の場よりも演技力といい、力強さと言い求められるものが大きくこれをこなせるソプラノが他にどれ位でるのか?と思うほどです。脇を固めるアルベルト・シャギドゥーリンとジャンヌ・ピラントも良く声が伸び、ノッティンガム公爵夫妻としての二重唱も圧巻といえるでしょう。ドニゼッティファン、グルベローヴァファンにとって必携の一枚とお勧めします。
若々しくおきゃんなアディーナは素のネトレプコそのままのようで見ていて微笑ましいし、ヴィラゾンも甘くとろけるような声で歌われるネモリーノのイメージとは違い歌唱は直球型だが表情がとぼけててとっても可笑しい(チャップリン風の仕草とか演技)相変わらず歌芸達者なヌッチのドゥルカマーラ、チョイ悪おやじ風ダルカンジェロのペルコーレなどキャストはほんとに適材適所! セピア色の舞台は絵本のようで心地良く美しく、オケがウィーンフィルといえばオススメしないわけにはいきません。 オペラブッファの醍醐味、歌っている人たちが一番楽しそうな舞台ってとってもいいですね。 恋人や家族と観ても楽しめそうです。 人気映像で廉価での再発売は嬉しいです!!是非お勧め!
ワルベルク指揮、ミュンヘン放送管弦楽団、バイエルン放送合唱団。1981収録。 キャスト:アディーナ/ポップ(S)、ネモリーノ/ドヴォルスキー(T)、ベルコーレ/ヴァイクル(Br)、ドゥルカマーラ/ネステレンコ(B)。
すべてイタリア人以外のキャストによる「愛の妙薬」。好演です。とてもチャーミングなアディーナで、ポップ・ファンは必携でしょう。ネモリーノのドヴォルスキーは、ちょっとおバカで憎めない田舎青年という役によくはまっています。やや粗削りで直截な表現も、素朴な青年の一途さだと思えばプラスになって聞こえてきます。ヴァイクルやネステレンコも芸達者ぶりを如何なく発揮して好サポート。録音も良好。対訳はパソコン用ファイルとしてディスクに収録。
星5つではまだ足りない。あったら7つか8つ上げたいようなセットである。
ほとんどの廉価版オムニバスCDが、雑誌のおまけのような、「さわり」の部分だけを集めた小間切れ集なのに対し、このCDは、アリアや二重唱を前奏から最後までしっかり収録しており、ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」の狂乱の場は16分43秒がノーカットで納められている。
曲目もモーツァルト「魔笛」の「夜の女王のアリア」、「おれは鳥刺し」、ヴェルディ「リゴレット」の「女心の歌」、ビゼー「カルメン」の「ハバネラ」と「闘牛士の歌」など定番の名曲は総て入っているほか、オベールの「ポルティーチの物言わぬ娘」(序曲は運動会用のマーチとして一部が使われている)など、よほどのオペラおたくでも知らない珍しい作品も収録されており、しかも演奏者は、カラス、シュヴァルツコップ、ドミンゴ、カレーラスなどこれ以上ない顔ぶれである。
録音は多少古いものがあるが、却って現在のAV時代の、見せるため、あるいは劇としての総合性を大事にする演奏よりも、個性豊かな名歌手たちの特長を十分に引き出すようなこの時代のほうが、ステレオ初期からレコードでオペラをを楽しんでいる人には好ましい。オペラ入門者だけでなく、オペラ通も十分に楽しめ、鑑賞できるすばらしいセットである。
惜しむらくは、8つ折り2枚の解説書が、曲のデータと解説が別々になっていて見にくいこと。また、解説書の中に、歌手たちの簡単なプロふぃkるを紹介してくれるともっと良かったと思う。
|