71年発表の2nd。前作発表後、ベーシストがイアン・エアに交代している。1stは『ヴィヴァルディ』など印象的なインスト曲が含まれていたが、本作は歌ものだけで勝負している。方向性やコンセプトがしっかりしているためか、前作にあった前衛性はやや影を潜め、非常に聞きやすくなっている。前半をダリルの楽曲、後半をフランシスの楽曲でまとめており、この2人が中心となってアルバムが製作されていると見て良いと思う。 1.はブラスが導入され、ソーニャの歌声とダリルのヴァイオリンが融合、そして効果音 (これが見事にハマっている!!)、リードと縦横無尽に活躍するシンセサイザーとエアの魅力を凝縮した曲。代表曲の一つと言えると思う。2.はグループ唯一のヒット曲 (全英4位) とも言える比較的ブルージーな曲。ソーニャの歌声を全面に出した洗練された曲だ。3.はエアでも最も美しいメロディを持った名曲。クラシカルかつ屈折したメロディを持った英国風の素晴しい曲に仕上がっている。4.は比較的地味な曲だが、短いながら印象的なギター・ソロが登場し、ヴァイオリンやシンセといったインパクトの強いリード楽器の中でかなりの健闘をしている。8.はブラスやハープシコードを導入したかなりの力作。アクセントを多用したクラシカルかつ複雑な展開は一聴の価値あり。フランシスにとっても最高傑作の部類に入る曲だろう。 アルパムとしては、かなり地味なイメージはあるが、楽曲の素晴しさで選ぶのであれば本作だろう。
従ってレビューもDVDとして書かせて頂きます。 演奏メンバーはセカンドアルバムのメンバーです。従ってBassはイアン エア(Ian Eyre)でダンアームストロングのクリスタルボディのBassを使っています。 収録曲は以下の6曲です。 1.Vivaldi 2.It Happen Today 3.Proposition 4.Back Street Luv 5.Back Street Luv 6.Piece of Mind
で1〜3と4〜6は収録時期が違い、そもそも4〜6はDrumsがフローリアン ピルキントン-ミクサとは違う人物が映っています(体調不調時バリー デ スーザが代役で演奏したという話があるのでスーザかもしれません)。 3.はモンクマンのシンセサイザーソロが入ったり、途中にソーニャのヴォーカルが入ったり若干展開が異なっています。 6.はダリルのヴァイオリンソロが聴けない他はオリジナルのイメージに近い演奏で、これも好印象です。 その反面、4.5.共にモンクマンのギターソロが入ったところでフェードアウトしてしまう(4.の方は中断してしまったような印象でした)し、1.のサイケデリックな背景(1stアルバムのデザインを加工したものでした)もうるさいのですが、Curved Airのライヴ映像をとらえたものは少ない(他にオランダからベルギーのTVに出演した時のファンタスマゴリアのメンバーでのライヴ映像Masters From the Vaults [DVD] [Import]もあります)ので、私はこの評価にさせて頂きますし当時の映像に興味のある方にお薦めです。 尚DVDは1枚だけです。
追記 5,6は青い背景で演奏していますが、これは背景を合成するための元映像で、これの背景を合成したものが実際の放送で使用されたものと思えます。2012年4月9日
クレジット等見ると恐らくはオランダのTV用の映像が流用されたようです。 収録曲は ・Marie Antoinette ・Proposition ・Melinda(More or less) ・Vivaldi
Melindaはソーニャのギターとオルガンのバックのみで歌われ、ダリルのヴァイオリンソロはありません。 またVivaldiは75年のライヴと同様ソーニャのVocalが途中に入ります。
映像的な面で言うとバックや途中で流される映像がうるさい(Propositionで流される映像等猛禽が鼠を食いちぎるシーンなど流されて気色悪いです) それでもCurved Airの映像はレアなので値段さえ妥当なら購入しても良いでしょう。
かなり恰幅の良くなったダリルのインタビューもあり、Curved Air結成の経緯と収録曲の解説をしています(字幕も無いので私が聞き取れた範囲でですが)。
70年発表の1st。カーヴド・エアはソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(k,G)、フロリアン・ピルキント(Dr)、ロブ・マーティン(b)の5人によって結成されたグループであり、その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら活動していくが、グループ解散後も様々なグループやソロで活躍していく猛者が多数揃っていた。 ソーニャの美しいというよりは力強いヴォーカルとウェイのヴァイオリンがこのグループの肝であり、この作品ではまだ荒削りではあるもののその点は十分に楽しめる。また矛盾するものの、この作品では以降に見られるようなメンバーの出番の極分化は見られず、各メンバーの見せ場が用意されているところもポイントだと思う。比較的地味なドラマーの出番やベーシストの手による単独曲もあり、バラエティにも富んでいる。全体的にはサイケデリックとブログレを行き来するかのような作品だと思う。
楽曲としてはとにかく1.が素晴しい。ブルース・ロック調の曲が突然ぶった切られてヴァイオリンが出て来るところが鳥肌もの。単に美しいのでは無く狂気じみた開放感のようなものすら感じさせる。2.はウェイのエレクトリック・ヴァイオリンによるバッキングが素晴しい曲。5.は彼らの代表曲の一つでライヴのハイライトだった。緊張感をと美しさを伴ったウェイのヴァイオリンが素晴しいが、時代を反映したかのようなノイズ・サウンドは若干聞き手を選ぶか?(私は大好き) 8.は前記のベーシストのロブの曲。ピアノをバックにウェイのヴァイオリンがソロをとるシンプルな曲だが、混然としたこの作品の中の清涼剤のような役割になっており、シンプルな故の美しさを持ったはかない佳曲である。
イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアの4th。1973作 いったんバンドを離れたダリル・ウェイに代わり、若き日のエディ・ジョブソンが参加。 そのことからも現在ではエディファンからの人気が高い作品であり、 バンドのディスコグラフィー中でも異色のアルバムといえるだろう。 サウンドは初期の頃に比べるとずいぶんすっきりと整理されてきていて 軽やかで優雅な演奏に乗るソーニャー・クリスティーナの歌声が美しい。 エディの艶やかなピアノはやはり素晴らしく、またヴァイオリンの方もダリルに負けじと テクニカルに弾きまくっていて、このアルバムをクラシカルに彩っている。 前作「ファンタスマゴリア」とともにバンドの代表作と呼ぶにふさわしい出来だ。
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