堺雅人、山田孝之、綾野剛、田口トモロヲ、安藤サクラ、谷村美月、主題歌のUAとetc
映画好きにはたまらない豪華なメンバーですね(o‘∀‘o)
ストーリーは賛否両論あって当然なんで否定も肯定もしませんが、暗い雰囲気の作品が好きな人には、かなり心に突き刺さる映画だと思います!
画面はスタイリッシュにカッコつけているのに中身はマンガのように荒唐無稽だったり、変にアート志向の観葉植物のような映画だったりと、今どきの日本映画は二極分化している印象が強く、勢いがあって多彩な韓流映画などと比べると、ほんとにチャチでバカバカしく、見ていて情けなくなってくるものが多いですが、この映画に関しては、元々が舞台劇とのことで台詞はいささか堅苦しいですが、画面も、俳優の演技も、恐ろしいまでにリアルで、終始、冷え切った熱気が漲っていて、珍しく引き込まれました。こういうのを半島の国の人たちにも見てもらいたいですね。そして感想を聞いてみたい。 もっとも、向こうの人たちは健一のように包丁を捨てたりせず、「オマエのように「なんとなく」生きている奴と、「平凡で他愛ない」話などしたくない」と返してくるでしょうけど。健一と木島それぞれのキャラクターおよび二人の関係性と、半島の国と我々双方のキャラクターおよび関係性との類似点から、そんなことを妄想してしまいました。
最初はテーマが重く感じて、恐る恐る見始めたのですが、妻を失った夫の日常を追ううちに、何の感情か泣けてたまりませんでした。 物語は淡々と過ぎていきますが、一つ一つのシーンが忘れられません。
特に最後のシーンは、何とも言えない気持ちになって、この物語は私にとって大切な一本になりました。
内田けんじは、今、日本映画界で最も次回作が待たれる映画作家だ。 彼が発表した2本の作品、即ち、「運命じゃない人」と「アフタースクール」は、市井の人々が、非日常のトラブルに否応なしに巻き込まれ二転三転する先が読めないストーリーと、観客を騙すミスリードな展開に、心地良く幻惑されながらも、張り巡らされた伏線の数々がジグソー・パズルの如くぴたりと填まる幕切れの鮮やかさに、思わず唸ってしまうような遊び心溢れる傑作だった。 最新作である今作もまた、嬉しい事にそれらの手法を生かしたうえで、前2作には希薄だったスイートでウエルメイドな要素を色濃く感じる作品に仕上がっている。
今回の主人公は、売れない俳優、裏社会の凄腕ヒットマン、それに結婚適齢期の女編集者。 一見、何の関連性も見い出せない三人の男女なのだが、貧乏俳優が失意の中の首吊り自殺に失敗し、“ひと仕事”終えたヒットマンが、銭湯で石鹸に足を取られ転倒し記憶喪失に陥り、女編集者が何が何でも一刻も早く結婚すると宣言した瞬間から、三人は運命の糸に絡み取られ、翻弄されていく、、、。
「鍵泥棒のメソッド」、“メソッド演技”から名の由来を取ったいかにも小演劇っぽいタイトルを持つ今作、サスペンスフルながら、シチューエーション・ラブ・コメディと呼ぶのが相応しく、前2作での時系列が縦横無尽に行き来するような複雑で凝りに凝った構成は抑え気味な分、より分かりやすく、万人に楽しめる作品になっていると思う。 クライマックスは、ハリウッドの有名なコン・ゲーム映画の名作からの頂きだが、もちろんひと捻りあって、一筋縄では終わらぬ魅力がある。
香川照之が素晴らしい。伝説的凄腕ヒットマンとして登場、一転、記憶喪失し、貧乏役者としての自分に困惑しながらも、真面目に几帳面さを以て誠実に取り組もうとする切なくもオカシイ一人二役ぶりで、何しろファースト・シーンでは冷酷非情な悪人との印象しかなかったにも拘わらず、いつしかどんどんと観る者に好感を抱かせる善人に見えてくるという儲け役なのだが、俳優としての底力を感じさせる。
内田作品は必要良最小限の事前知識を入れただけで鑑賞される事をお薦めしたいのでこれ以上は言わずがハナ、なのだが、去年公開された日本映画の中では屈指のエンタメ映画、面白さは保証したい。
なお、登場人物たちのキャラクターに深みを与える(笑)劇中それぞれが書く文字は、パンフレットによれば、香川と広末涼子は代筆者が、堺雅人は、監督の演出プランにそって本人が書いているとの事である。
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