グリシャムファンの間では賛否相半ば、といったところのこの「ペリカン・ブリーフ」。リーガル・サスペンスというよりは「純」サスペンスの追いかけっこアクションという感じで、グリシャムとしては新機軸を狙ってちょっとハズしちゃった、、、とったところ。最新作「King of Torts」では真正法廷ものに回帰してますけどやっぱりわたしは後者のほうが好き。「ペリカン」も読んで損はしないと思いますが。
原作者が執筆時からジュリア・ロバーツが演じる事をイメージして書き上げた作品であることは有名な話し。彼女の出世作のひとつに数えられることとなった。劇中では、命を狙われたことから終始不安な表情ばかりのジュリアでしたがラストでの命を救われ安堵感漂う、花をバックにしたジュリア・スマイルを浮かべたシーンには、初めて見た時の感動が頭から離れませんでした。ストーリーは、長丁場ではありますがテンポの良さに救われたサスペンス。25才の彼女が見られることとなった(涙)プリティ・ウーマンは、好きではありませんがこちらの作品で彼女のファンになったひとりです。DVDからの買い替えです。画質・音質とも不満は、ありません。オススメ!
「ペリカン文書」は昔、映画で見たのですが、ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンにとらわれた記憶があります。やはり、原書で読むと映画でははしょっていた部分が多い(それはある意味、仕方がない)ことに気が付くし、"page turner"と言わせるだけの物語の展開の面白さだけでなく、米国の怖さを思い知らせてくれる充実の一冊でした。最初はなぜペリカンなのか分からなかったのですが、途中で分かりました。私の解釈では、米国の政治を動かしているのは、政府以上に業界であり、欲望だということです。もちろん、原書ではFBIやCIAが善玉すぎたかもしれませんが、意外と米政府は臆病者ばかりで、票を稼げるところに乗っかっているだけかもしれません。 グリシャムの本は"the summons""the king of torts"に次いで三冊目ですが、ペリカンがナンバー1です。どなたかが書いていましたが、英語で読んだ方がすっきり分かりやすいし、がんばれば高校生でも読めます。こんな面白い本を学校で読ませたらいいと思います。最近読んだ洋書の中では、"fast food nation"(これはハンバーガー一つを通じて、よくもここまで米国を描きました!という作品です。表紙は軟派に見えても、中身は硬派です)と並ぶお薦めの一冊です。
john grisham を最初に読むのなら、一番いいかも。法律用語たる専門用語も少ないです。文体が印象的でした。
本を読んで、そのあとビデオを借りてみました。そこで小説のすばらしさにはたと気付きました。 ストーリーのプロセスがしっかりしている点もありますが、それ以上にこの本の魅力は登場人物にあると思います。 若いけれども才能にあふれ、同級生たちの憧れの的でもあり、細身のジーパンにだぶだぶのセーターを着て颯爽と歩く姿に存分な魅力を投げかけてくれます。そんな彼女が書いたペリカン文書が実は事実であり、そのことで何度も暗殺者に殺されそうになる。そのスリルと、次々と謎を解き、事実を固めていく様に惚れ惚れしました。
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