映画「嫌われ松子の一生」で使用されるボーカル曲を集めた
オリジナルコンピレーションアルバムです。
中山千夏、和田アキ子から木村カエラまでが一枚のCDに収められた
コンピアルバムなんてそう滅多にありません。
聞き所は主題歌になっていてサビがやたらに耳に残る10、
モロにディズニー・ミュージカルを思わせる6、9、
グランジ感あるR&Bでチョいジャネット・ジャクソン風が笑える13、
ホントに昔流行した曲なんじゃないの?と思ってしまう昭和アイドル歌謡バリバリの8、
元ゴダイゴ(懐)のドラムス、トミー・シュナイダーがシブいスローバラードの16、
ビッグバンドから童謡まで一曲にまとまっている感動のエンディング曲
19あたりですが、
全般的に質が高くトータルとして違和感が無い流れになっています。
もちろん中山千夏の可憐な歌声に心洗われる7、
日本中で何万人がモノマネしたか分からない、
パンチの効いた歌声にレイ・チャールズも脱帽の11(あの頃は、ハ!ですから)も外せません。
今時この価格はチト高い気もしますが、自分は即買いで正解でした。
ソープ嬢として働いたり、覚醒剤を使用したり、殺人を犯したりした松子ですが、そんな彼女が、普通の夢を描く場面も幾度か出てきます。
親友の遺志を継いで、恋人と小料理屋を開くこと。
美容師の資格を取って、プロポーズをしてくれた理容師の男性と、仲良くお店をやっていくこと。
カットコンテストに出場し、元恋人に自分が立ち直ったことを伝えること。
恋人が出所したら、二人で肩を寄せ合って人生をやり直すこと。
家族に許してもらい、温かく迎えてもらうこと。
彼女の不幸は、それらのささやかな希望がすべて他人に関わることであり、彼女自身の努力だけで報われるものではなかったことでしょう。希望を持っている間は一生懸命努力していた松子も、希望が次々と消えていく理由に気づけないまま、自堕落な生活を送るようになります。
そんな彼女も、最後の最後で自分自身の可能性にかすかな希望を見出し、自分のことを心配し、愛してくれていた人たちがいたことに気がつきます。また、死後に至っては、一度しか会ったことのない甥が自分の生涯に興味を持ち、その結果人間として成長し、自分のために悔し涙まで流してくれた。彼女にとって、救いになったと思います。
明日香の部分が多少物足りないというかちょっと浮いているような感じがしましたが、自分の人生に指針を持つことの大切さを教えられました。
中谷美紀の文章は今回初めて読みました。
とても簡素でわかり易い。
それは彼女が自分の気持ちの表現方法をよくわかっているからだと思います。
そして、頭のいい女優さんなんだなあと感心しました。
ananでも連載があると書かれていたので、ゴーストライターではないと信じようと思います。
嫌われ松子の一生をDVDで見て、感動。
そのままパソコンでAIと及川リンの What is a Lifeという楽曲を購入。
そしてこの嫌われ松子の一年の購入と閲読。
完全にマーケティングというか、クロスマーチャンダイジングにやられていますが、後悔はありません。
たぶん2時間もあれば読み切れて、映画の裏側(というか主演女優のぼやき)が読めるってのはお買い得だと思います。
DVDを見てから、どうしても欲しくなりました。音楽を聴いただけで情景が浮かんできて感激しています。
コンプレックスの殆どない人、愛情をたっぷり受けて育ってきた人、自己評価が高い人には、松子は理解不能な破滅型人間にしか見えないのかもしれません。
その替わり、兄弟間で微妙な愛情や評価の差で心にキズを持つ人や、子どもの頃充分に甘えさせてもらわなかった人には、松子の不器用さが何となく分かるのではないでしょうか。
映画も原作も知らないので、ドラマだけの評価になりますが、悲しく情深い松子の人生に感動しました。
自身が人から拒絶される事を何よりも恐れているため、Noと言わなければならない時にNoが言えない故に悪い男にとことん利用される松子。
永遠の男性(父親の替わり)を求めて愛を乞い過ぎるせいで、自分を幸せにしてくれない男性ばかりを選んで、松子の人生はどんどん悪いほうに転がっていきます。
同僚の財布からお金を拝借する所など、それはさすがに?? というシーンはちょっとありましたが、Noと言えない女がどうなるのか、とことん見せ付けられた気がします。
何かの本で昔読んだ、”異性の親との関係が、将来の恋愛に大きく影響する”という通説を全面的に体現した、不器用な松子の生き方。
弱いものに優しく、正義感が強く、教養もあり、もっと幸せに生きられた筈なのに、楽に生きられる術を知らなかった彼女が堪らなく愛しくなりました。
そして、そんな松子が、同類の洋一に愛されていた事に、救いを感じました。
野に咲く一輪の花のような、寂しいけれど可憐な松子の生き方を通じて、人生において一番大切なものは何かを感じてみるのもいいと思います。
|