NHK少年ドラマシリーズは自分が中学生の頃に、 リアルタイムで観ていた我が青春のバイブルです。 特に本作「なぞの転校生」は数ある少年ドラマの中でも 1,2位の人気を誇るジュブナイルSFの最高傑作だと言えます。 単なるSFドラマという枠を超えて、多感な時期を生きる中学生の 心情や葛藤を見事にまで描かれています。 それは、徐々に信頼という絆で育まれてゆく友情であったり、 ほのかに芽生えた淡い恋心であったりします。 勿論、勉強も大事だし負けたくないライバルもいる。 そんな日常的ともいえる学校生活の中で少年少女達は、 やがて自らの手で勇気や思いやりといった大切なモノを 見いだしてゆくのかも知れなません。 本作を観終えた時、間違いなく自分は35年前のあの頃の 中学生だった自分に戻っていました・・・
オールロケなので昭和48年当時の空気がものすごく濃厚で最高です。当時母の実家のあった茅ヶ崎に夏休みの間、言ってたので雰囲気も似ていてたまらんですな。簡易タイムマシンです。
庄野真代+浜田山~ずの活動の原点とも言うべき1枚。「時代の夜汽車」という副題が表している様に、昭和の名曲が、庄野真代と浜田山~ずの優しさに包まれながら鮮やかに蘇る。今から3年前に発表されたCDだが決して古さを感じず、むしろ「蘇州夜曲」、「星影の小径」、「恋のバカンス」などはその後いろいろな歌手がカバー曲として取り上げており、選曲のセンスの良さを感じさせ、同種CDとしての先駆的な位置づけのアルバムとして評価されるべき内容となっている。中でも、庄野のオリジナル・ヒット曲の「イスタンブール」と「モンテカルロ」は、それぞれ、ギターとベースとのデュオとして、ジャジーなニューアレンジでライブ録音されたものだ。他の名曲と比べても、決して引けを取らず、新たな輝きを放ちながら蘇っている。ファンならずとも必聴の1曲である。
「ジェットストリーム」で知られ、時にグレゴリー・ペックでもあった城氏だが、そのどちらとも違う、“あなたの知らない世界”の扉を開く案内人として、こちらのハートをグッ、とわしづかみに。そして聴こえてくる、あのクールかつダークな、一度耳にしたら一生忘れることのなさそうなテーマ音楽(「鉄腕アトム」で知られる高井達雄作曲)……。記念すべき、通称《NHK少年ドラマシリーズ》の第1作「タイム・トラベラー」(72年。演出=佐藤和哉、脚本=石山透)の、NHKも保存していなかったVTRが、1回分だけ、画質に難はあるが発見され、こうして商品化された。この作品のファンの中には、この分量でこの価格、果たして買う価値はあるのかと悩まれる方もおありだろうが、やはりオレとしては「ある!」と言わせていただきたい(さすがに「何をおいても」、とまでは言わないが)。まず、普通に再生すると、正続「タイム・トラベラー」で今のところ唯一見ることができる1作目の“いきなり最終回”が始まってしまうが、他の(正続とも)すべての回の音声も合わせて収録されているので(テレサ野田が出てる回もある。見たかった…)、まずは1作目の最終回に至る展開を、音のみで-できれば夜、部屋の電気を暗くして、可能なら画面(音声再生中、特に工夫もなく残念)も消し、音だけの世界で-たどった上、ごらんになることをおすすめしたい(この「音だけ」というのが、たまらなくイイ! ただし、よりSFテイストの濃い「続」の方は、暗い部屋ではコワいかも…)。そうすれば、最終回の感動もより深まろうというもの。同時収録の、映像の分量でいくとこちらがメインとなる76年作品「明日への追跡」も、長谷川諭、斉藤友子(後のとも子)ら、青春ドラマでもよく見た顔ぶれが揃い、語りは田中信夫、音楽も大野雄二と、実に豪華な印象のある作品だ。
ゆっくりと腐っていく地方の一都市の夏休み、 閑をもてあます高校生たちの仲間の一人が、ある時偶然、 3秒間だけ時間を跳び越えてしまったことから始まる、 熱狂的な時間跳躍の研究と実験、そして緩慢な崩壊…。 「フィクションとして時間旅行が存在する現代」を舞台に している作品にはよくあるパターンとして、時間旅行に 対する愛に溢れています。 登場する猫の名前が <チェシャ、ク・メル、ペトロニウス、ハミイーあるいはジェニィ>! なんて素敵な! 時間旅行好きはもちろん、SF好きの方にも、諧謔に富んだ 文体が好きな方にも、青春小説好きの方にもオススメです。 あと、恩田陸的少年少女SF活劇が好きな向きにも是非。
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