ルディ・サーゾはランディ・ローズの親友だっただけに、そのルックスも手伝ってまるで天使か何かのように祭り上げられているランディが、才能があったことを除けばごく普通のギター青年であったことを私たちに伝えてくれる。
そんなランディとキューバ移民であるルディ自身が、オジーとの出会いによって無名のミュージシャンからスターへと登りつめて行くところは、とてもわくわくするし、ロックバンドのツアーの様子や、その間に出会ったミュージシャンとの交流などはとてもリアルに描かれていて興味深い。
そして、あの飛行機事故。
文字通り永遠のギター青年になってしまったランディ、このような本が親友によって出版されて、天国であの微笑を浮かべているに違いない…。
夭折の天才として今なお高い支持を集めるランデイー・ローズ。激しいグルーヴを発しながらもどこかもの悲しくドラマチックなソロは今なお活き活きとした印象がある。後にOzzyのバンドに加入、ロックスターの仲間入りをしかけるが、最近発表された彼の家族の証言でOzzyバンドへの加入よりローカルバンドであったQuiet Riotへの強い愛着があったことがわかった。本作では日本でだけ発売されたランディー在籍時の二枚のアルバムにライブテイクをあわせた編集となっている。ランディーはそのクラシックの要素を絡めた独特のフレージングもさることながら、彼独自のインパクトを持ったテーマリフやバッキングも非常に個性的だが、後にOzzyバンドでみせるその曲全体に関わるノリも既にこのころから明白に現れており、決して後年Ozzy向けに出来たスタイルではないことがわかる。またランディー他界後、十分なタレントをもつカルロス・カバーゾを加入させ世界的にブレイク、紆余曲折を経て近年また活動を再開したQRもこの当時のグルーブをベーシックにしていることが本作からわかり、何故ランディーがQRにこだわったのかがよくわかる作品である。企画モノは敬遠するむきも、ランディーのスタイルを原体験する意味で一聴の価値があるのでは。また、後年"Blizzard of Ozz"でレコーディングされる"Dee"や、Ozzyとのパフォーマンスで聴くことのできるフレーズが、本作に特別に収録されたギターソロパートで聴くことが出来る。
なつかしい。いまでも、Mr.Crowleyのソロを思い出す。成熟してからの、Randy!聞きたかった…
僕が、洋楽に目覚めて音楽に興味を持ち始めた頃('84年の秋頃だった) には既に彼はこの世を去っていた。だから、僕は完全な後追いのファンだ。 来日公演を心待ちにしながら、リアルタイムで彼の悲報を知ったファンの 方々の悲しみにくらへれば僕などは数段マシだと思う。
今回のバイオグラフィーは、彼の生い立ちから運命のあの日、そして 没後30周年の現在まで、遺族や知人親友の証言やランディ本人の数少ない インタヴュー等で構成されています。
オジーのバンドに加入してからルディ・サーゾとツアーを共にすることに なってからはルディ著の「オフ・ザ・レイルズ」の方が日記形式に 詳しく書かれているので合わせて読まれると良いかと思います。 事故の当日が近づくにつれて読み進めるのがどうしても遅くなってしまいました。
オジーとの3枚目のアルバム制作とそのツアーが終わったら脱退することに なっていた彼はツアーに疲弊し、ROCKというミュージックビジネスに嫌気がさしていたのかも知れません。 充分な製作期間が与えられていたなら、3枚目のアルバムはきっと素晴らしい アルバムになっていたことでしょう。
ファンの方なら、もし彼が今も元気で生きていたならと想像すると思います。 あくまで僕個人の想像ですが、母の経営する音楽学校でギターを教えることを 生活の中心に置き、ロックのショウビジネスからは距離をおいて活動していたと思います。 たまにオジーに頼まれて、ロックフェスのゲスト等でステージに立つことはあったかも知れません。 クラシックギターやジャズ/フュージョンなどいろいろなジャンルにわたってギターで 表現できる音楽を研究しアルバムを発表してくれていたのではないでしょうか。
ランディ・ローズのトリビュート・アルバムで、ジョー・リン・ターナー(ex-RAINBOW)やセバスチャン・バック(ex-SKID ROW)、ジョージ・リンチ(ex-DOKKEN)、クリス・インペリテリ(IMPELLITTERI)など、参加ミュージシャンは非常に豪華。選曲も悪くなく、オリジナルを聴いたことがない人でも楽しめることは間違いない。お薦めは「S.A.T.O.」。 最後にセバスチャン・バック。AEROSMITHやRUSHのトリビュート・アルバムでの存在感もすごかったけれど、本作でも「BELIEVER」など3曲に参加してパワフルな歌声を披露している。SKID ROW脱退後、あまりパッとしないのが残念…。
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