70年発表の1st。後にディープ・パープルに参加するグレン・フューズを輩出したことで有名なグループ。このグループは2nd以降でのトリオ編成によるハード・ロック・スタイルの方が有名だが、本作ではフューズ(b、vo)、メルヴィン・ギャリー(g)、テリー・ロウレイ(k)、デイヴ・ホランド(dr)、ジョン・ジョーンズ(tp) の5人編成となっており、音楽スタイルも異なっている。プロデュースはムーディー・ブルースのジョン・ロッジが担当して、そのムーディーズ影響下のサウンドを聞かせている。1.はグロッケンやアコギ、コーラスを導入した初期のビージーズすら感じさせるフォーク・ロックの小品。2.は1.を導入部としたアコースティックなパワー・ポップとも言うべき曲でこちらもコーラスを活かしたポップな仕上がり。パタパタと鳴り響くドラムスも心地よい。3.もコーラスを活かしたポップなミディアム・ナンバー。湿った音はどう聞いても英国風だが、60年代のアメリカン・ポップス的な雰囲気もあり、その手のポップスとしてはかなりの佳曲だと思う。4.はメロトロンのフルート、グロッケンも導入したアコギ中心のパラード風の曲。こちらもビージーズに通じる仕上がりで、中盤のゴスペル風のコーラスも聞き物。5.はバロック風のオルガンも聞かれるポップなハード・ロック曲。エンディングはジャズ風になる。6.はメランコリックなワルツの佳曲。11.はストリングスが入ったドラマチックな仕上がりで、どことなくアンダース&ポンシアを思わせる強力なメロディを持った佳曲。 後のグレン・フューズは全く想像も付かない作品だが、いわゆる英国ロックの作品としては標準以上でむしろ佳作。引き合いに出した初期ビージーズよりも曲は良いかもしれない。コーラス・ワークの美しさも聴きどころだろう。パープル・ファミリー的な印象で聞くと肩透かしだが、純粋に英国ロックのファンなら押さえて良い作品だと思う。 本作発表後、グループはフューズとギャリー、ホランドを残して本作の曲作りの中心でもあったジョーンズを含めた2人が脱退。次作以降は音楽性を激変させる。
のっけからデイブ・ホランドのツイン・バスが唸り、いきなりノックアウトされます。グレン・ヒューズのボーカルも、メル・ギャレイのギターも最高です。「Coast To Coast」のようなライブで必ず演る曲も盛り沢山で、これは紛れも無くトラピーズ黄金期の最高傑作アルバムと言えるでしょう。 ファンキー、ブルージー、ロックンロール…どう形容すれば良いのやら、彼らの音楽性の幅広さもたっぷりと堪能させてくれます。 これを聴いたら他のアルバムも揃えたくなること請け合いですよ。
パープル3期の立役者、ドライヴィング・ベースとファンキー・ハイトーン・ヴァーカルのグレン・ヒューズ!!! トラピーズはパープル参加以前にグレンが参加していたバンドとして知られています。ファーストはクラシック・プログレッシヴ・ロック。サードはファンキーなハイテンション・ロックン・ロール。どちらも素晴らしいアルバムなんですが、個人的にはこのセカンドがベストと断言します。フリー/バドカンにも通じるアーシーでダウン・トウ・アースなあとのりビート、もしくはミステリアスなアコーステック・サウンドをバックに思う存分飛翔しまくるグレンのベースとヴォーカルはまさに絶品です。うーーん、パープルに入んないでこっちの発展形態も聴いてみたい!!!
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