過去に大きな実績を残した作品の続編と言えばそれだけで身構えてしまうものだが、長谷川裕一は再度素晴らしい仕事を残したと思う。 そも、スペースオペラというSFジャンル自体がとうの昔に科学の手を離れ、お約束を踏まえた安易なファンタジーみたいなものとして しか受け入れられない(それはまた、一般大衆に於ける科学的知見の急速なブラックボックス化にも関連するだろう)現状の中でも、 今作は現代に通じるテーマとしてのSFガジェットを上手く取り込み、更には第一作のネタにも新しい側面に光を当てている。 テーマ以前に優れた冒険活劇であることは云うまでもなく、まさに円熟と機転の極みというしかない。
完璧なデータであっても生命たりえないと神的存在を退けた第一作に対し、生命/データの境界を越えて存在それ自体の変転へと問い を投げる本作は、続編が陥りやすい「第一作への相対的視点からの否定」に留まらず、第一作のテーマを内包しつつも新たに視点を広げる 様であり、それは完成した地図を外に向かって書き加えていく作業に他ならない。展開が進むにつれて膨大な設定が積み上がり、結局その 世界観に於いての内向きな整合性を主眼に置くが故に物語が平凡に閉じてしまう、そんなタイプの作品とも違う。長谷川裕一の想像力は、 現実より地続きの射程を外すことなく無限に伸びていくかのようだ。
メタ的な意味に於いてもこのネクストシート自体が「マップス」という完成された作品のデータ(それは直接の作品それ自体だけを 意味するのではなく、マップスというブランドのイメージ、商業的な期待、積み上げられた年月、作者の能力や変遷、第三者からの 評価なども含まれる)から生まれたという意味ではなからコピーであることを避けられず、作者自身もそれを自覚していたはずだ。 この大いなる「二次創作」に一端のピリオドが打たれた今、単なる続編としてマップス世界に幾らかのデータを足したものだけで あるかどうか…それは読了した方が各自判断すればよいが、少なくとも僕はそうだとは思っていない。
極めて刹那的な共感を糧とするべく物語を消費するために物語を作り続ける、極めてブゥアー的な消費動向が続いていく現代日本の 「商業/同人/オタク/SF」創作状況だけれども、新しい地図はそこにさえ…むしろそこからこそ何かが生まれ、変わり続けること を肯定的に示唆し、次なる旅へのコンパスとなって方角を示しているように思う。 たった一杯の水の向こうに無限の宇宙が透けて見えたように、今は長谷川裕一が示しうる新世界を待望する、この贅沢を噛み締めたい。
かつてのライバルたちも登場して、ムー大陸での戦いも最高潮。晶と洸もついに出会ってさあ行くぞ!伏線も回収だ!…あれ、完結しちゃった?と思って裏表紙をみたら『第一部完』の文字。
え…そうなの?これ、続くの?それともジャンプ的なアレ?ちょっとちょっと、と調べてみると…長谷川先生のHPで、4月から第二部との情報がありました。ああ、よかった。
帯には山根理宏氏のコメント「愛あればこそ、ロボはみな美しい」。そうですけども、あらゆるロボが、等しく「愛」を受けられるわけではないのですよ。スーパロボット大戦のオリジナルロボあたりとは、違うよ。ぜんぜん違うよ。
さて、本巻で一区切りということで、戦いも怒涛のラッシュ、強力な味方とかあのメカ登場(あれ、第1話に出てたか…)、今更「はじめまして」とか、エロ少なめバトル多め、強敵とかいてともと読む方の強敵見せ場とか、頭の中では「ブイブイブイー」とか「燃やせ燃やせ真っ赤に燃やせ」とか鳴りっぱなし、です。本当に、この先生ときたら、どんなキャラも救われちゃうというか愛が溢れているにも程があるというか、旧作原作ファンにも間違いなく楽しめる作品です。長谷川裕一は裏切らない。未見なら、前2巻、ビクトリーファイブ2巻を併せてお読みになると5×5=25倍くらい楽しめるです。
さて、第二部の展開はどうなるのか?大変気になるところです。ビクトリーファイブにライディーンが加わって、ブラックライディーンを入れて「ファイブ」なのか?フォボスは、コングは出番があるのか?超電磁チームはスマホを買うのか?まずはガラケから?興味は尽きませんが、暫くお預け。ひとまず、晶には平和な日常が戻ってくる、のかな。晶友達再登場希望。
新装版ですね。
懐かしく読ませて貰ってます。
富野監督 原作の宇宙世紀ガンダムです。
富野×長谷川が見事にクロスしております。
当時、長谷川先生の絵が苦手な友人が多く あまり話題にされなかった記憶がありますが・・・
しかし、読めば読むほど面白い
F91以降のシーブック、セシリー、ザビーネのその後・・
連載中、当時の現実日本で起こった カルト教団事件に対する富野監督の思い がちらりと見え隠れしている感じがします。
続刊での
・木星帝国本拠地でのシーブックの台詞
・最終決戦に向かうトビアの思い
等々
必読です。
当時思ったこと、ガンダムXより、 Xガンダムをアニメ化してほしかった。
でも漫画でしか、描けないストーリーです。
織田裕二ファンの僕としては個人的にショックを受けた作品。 織田裕二の努力。佐藤浩市・松島奈々子の演技は、たいしたもんだ! と十分思いました。 が、テンポが悪すぎる。ストーリー的にはいい作品だけども、 いまいちわかりずらかった。しかも、あのラスト。中途半端もいい 所です。その部分では期待はずれでした。 しかしながら、出演者さん達の演技は本当にたいしたものなので、 必見です。
初めて物語ホワイトアウトを知ったのはなにげなく聴いていたラジオだった。NHKのラジオドラマでいやはやひさしぶりに手に汗握った。すぐに小説を読了。おもしろい。これは絶対映画化すべきだと思った(爆笑問題の太田光もラジオの深夜放送でしゃべっていた)。で、じっさいに映画化。「紙芝居」と表現したのは平安堂系列のフリーペーパー「ナイスディクラブ」だったが、その通りだと思う。映画後半に向かうにつれてひどくなる傾向。ただし捨てておけないのは本物の雪。映画「シザーハンズ」で偽物の雪にショックを受けた人は多いはず。2003年1月4日民放で放送。久しぶりに見たらテレビのステレオ音声でもスピーカーマトリックスでサラウンド。ホールエコー頻出し美しい。名作映画までもう一息の惜しい作品。
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