理想主義者でありながら、徹底した現場主義者でもある。 行動原理は実にシンプルながら、決して原理的ではない。 とても人間臭い、かといってヒューマニストではない主人公マリアが魅力的です。 自身の介入を投石で拒んだ村が戦争で壊滅した際、村民たちの十字架に祈りを捧げる姿は象徴的です。 また別の場面では 「あたしも矛盾してんのよね…… 戦を止める為 戦を好まない領主に 戦を強いてるんだもん 戦争嫌いの魔女が」 なんてこともハッキリ言ってます。
それにしても「純潔」をデカデカと掲げながら、これほど読後感の良い作品は不思議です。 石川先生ならではのマジックかもしれません。 「もやしもん」に結城蛍のようなキャラがナチュラルに存在するのも凄いと思っています。
《もやしもん》のおもしろさに釣られて買ってしまいましたが、当たりでした。 巻頭の話は特にすばらしかったです。どうやら映像化してるみたいです。
ネタが良く、絵も結構いけてるが、主人公不在でストーリーにメリハリがない。あえて言えば習作という出来。まあまあキリの良いところで終わっており、1冊で終了にしたためダラダラ続かず救われている感さえある。
雰囲気は漫画版のナウシカとアニメのもののけ姫を思い出させる。ハバンはユパ様のようだ。マエカワとその手下(仲間?)はなかなか個性的で魅力も十分。船やバック、衣装などもなかなか良く描けていて、群集をああもガンガン描けるとういうのも凄いのだが、それで漫画としてイカしているかというと、案外にそうでないから不思議なものだ。
結局、主人公格のカタリベがあまり魅力的でなく、脇役が頑張ってしまうためストーリーに芯がなく、余分なコマが多いためスピード感に乏しく、ストーリーが練れていないからダラダラとなってしまうのだ。
が、これはあくまで同氏の旧作。現在この手の歴史もの、リアルな群像を描く技は純潔のマリアに存分に生かされていると思う。同氏の過去の作品に興味のある人は買っても損はない。
表紙は最近描いたもので、中と違うので注意。帯の名作という単語は、ちょっと違うと思う。
歌/芹洋子(1)(15)、中川真主美(2)、真理ヨシコ(3)(5)(6)(19)(20)、クロスロードレディースアンサンブル(4)(8)(11)、土居裕子(7)(11)(12)、東京ソフィア女声合唱団(9)(13)(14)、クロスロードツインズハーモニー(10)、田の上善久(16)、塩野雅子(17)、松倉とし子(18)
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