「大人向け絵本」という呼び方が定着していますが、そんな陳腐なカテゴリじゃない、Coolな本です。 愛らしく不気味なキャラクターたち、不条理なストーリー。小気味のいいブラック感。本を閉じた後、天才としかいいようのない本の完成度に打ちのめされました。一見殴り書きのような、思いついたままのような内容に思えますが、計算されています。その計算の跡を見つけるのも難しいくらいです。鬼才、という言葉がピッタリです。 ティム・バートンファンはもちろん、エドワード・ゴーリーのファンにもきっとたまらない1冊です。日本語訳にちょっと気になる部分があるので、英語版に抵抗がない人は英語版のほうがいいかもしれません。
声の質、歌い方など、アン・バートンほどバラードの似合う歌手は、そうそう存在しない。有名な割りには寡作だったバートンのベストは、この盤と同じソニーから発売されている「ブルー・バートン」だ。情感いっぱいの「いそしぎ」だけを聴くだけでもこの一枚を持つ意味がある。アン・バートンと同じオランダの生んだ名手ルイス・ヴァン・ダイクのブルージーなピアノもいい。このオランダ人たちのジャズを聴くと、ジャズはアメリカ人のものだけではない、と、つくづく感じる。ヴァン・ダイクはM&Iカンパニーから、「バラ−ド・イン・ブルー」という新譜をリリースしたが、そちらも名盤。(松本敏之)
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