マイケル・スレイドの衝撃のデヴュー作。いきなり、首狩り殺人なんて陰惨な事件がしかも連続ってだけでもショッキングなのに、次から次へと戦慄のドラマが繰り広げられて、そして最後の大ドンデン返しで読者は一気に暗黒に叩き落とされるという――まさに衝撃というに相応しい小説。 邦訳が出たのは「グール」のほうが先ですけど、原書はこれが第一作です。
IT産業のCEOを紹介するという凄腕ヘッドハンター「ロジャー・ブラウン」は画廊を経営する美貌の妻と贅沢な生活を楽しんでいた。その実ロジャーは相手が高価な絵画を持っていると知ると、忍びこんでは贋作とすり替えるというこれまた凄腕の泥棒でもあった。今度の標的「クラス・グリーヴ」の持つ第二次大戦中にナチスが隠したといわれるルーベンスの作を狙ったが、どっこいグリーヴはITの専門家かつレンジャーあがりの怖い人殺しで、ロジャーは逆にGPS追跡の網から逃れられない窮地に立たされる。そして脈絡もなく人が殺されていく。妻がはたしてグリーヴに惚れて自分を裏切ったのか、そうでないのか、といった謎を絡めたあたりはいかにもネスボー氏らしいひねりが効いているが、「ハリー・ホール」シリーズの緻密さにハマった者にはこの単発作はとにかく粗っぽい。今流行りのトランスミッター技術を盛り込んだハードボイルド劇として割り切ればそれはそれでいい味がでている。
タイトル・ソング(最後のエンドクレジットのところで流れます)を、元a-haのポール・ワークター=サヴォイ(超・大ファン)が担当しているという理由で見ましたが、面白いです、この映画!
他の方のレビューにもあるとおり、ヌードありグロありですが、目が離せない展開に、すっかりはまりました。原作も読み始めるという始末です(英語ですが)。
ノルウェー盤のDVDも入手済みですが、そちらには英語の字幕がなく(もちろん日本語も)、参考までにこちらも購入しました。
日本盤に足りない唯一のものは、テーマソングのMVの特典映像です。 気になる方はこちらをごらんくださいませ。
http://www.youtube.com/watch?v=w38XugtVPaI
※原作者名はノルウェー語では「ジョー」ではなく「ヨー」、主人公の名前も「ロジャー」ではなく「ロゲル」が正しい筈です。まだまだマイナーなノルウェーに涙。
11歳でシカゴ・フィルとピアノで共演した天才ハービー・ハンコックが、“Miles School”を卒業してから73年に一発目として出したもので、当のマイルスが「あいつはみんなでやってきたことを台無しにした」と面食らったアルバムだが、周囲の当惑を超えてこのアルバムは、ジャズというジャンルを超えた大勢の人に愛され、メガヒット作となった。
ハービーは、“音楽道”というものがあるならば,記憶している限り、冷たささえ覚えるその道の求道者であったが、 その頃のインタビュー記事等によれば、彼の内面にこの時期大変化があったらしく、それとこのアルバムの生命力と大衆性は、無関係ではないとのことだった。
当時高校生だったぼくは、このLPを買い求め毎日聞いていた。 CHAMELEONのベースラインを聞いたとき、カメレオンが木の枝の上をペタペタ、ペタッと歩いてくる様を思い浮かべてみたり、 WATERMELON MANでは、笛を吹きながら西瓜を売りにやって来るというアメリカ南部の西瓜売りを頭の中に描いてみたりした。 リズムの変化の素晴らしさでMilesや後のPrinceにも影響を与えたSly Stoneをタイトルにした"Sly"では、16ビートのリズムでメンバーがプレイを楽しんでいる。 ラシッド・アリかと思わせるハービー・メイスンのドラムやコルトレーンかと思わせるベニー・モウピンのサックスが アヴァンギャルド・ジャズのカオスのイメージとは無縁の、ハードロックも問題にならない凄いノリの演奏になっている。 60年代のアヴァンギャルド時代の数多くのプレイヤーのアルバムを聴いていたものとしては、これは驚きののアレンジメントだった。
最後は、横になっているときの心臓の鼓動に近いゆっくりとしたリズムのVein Melter(直訳すると:静脈を溶かすもの)で火照った身体をクールダウンして終わり。
あれから36年。本然的に垢抜けているものは、いつ聞いてもやはり垢抜けている。
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