有安杏果目当てで買いました。インタビュー、写真ともに買ってよかったな、と思える内容でした。
軍事力。政治力。経済力。
この三つ全てに先見の明があった、稀にみる優れた人物だそうです。
ゲストの作家は、歴史上でもここまで優れた能力があったのは、
徳川家康かこの平清盛だと言っています。
そんな清盛が40代の頃から、保元・平治の乱で上手く立ち回って、
平氏としての勢いをつけていく過程と、
海外の宋と貿易を始めたりと文化の面で革新的行動をしていく過程、
それらがバランスよく短時間の中でまとめられています。
そして後白河法皇との対立と、ボロボロだった源氏の蘇生、
最後の平家一門の崩壊までを、追っています。(清盛自身は滅亡の4年前に死亡)
保元・平治の乱などで敗者の源氏に対しては斬首をはじめ、
とても厳しい仕打ちでいどんだ清盛が唯一、母親に進言されてしてしまった人情に溺れたミス、
まだ子供だった源頼朝と義経の兄弟を斬首せずに命を助けてしまった事。
これが後々、とんでもない能力を備えた武士に成長してしまったのが皮肉。
二人をあの少年の時のまま殺しておけば…と悔やみたくなります。(平家好きなので)
日本全土の過半数を支配下に置いた栄華と、意外にも短期間での崩壊と滅亡、
この儚さがまた平家(というかこの時代)の滅びの美学のようでなんだか好きです。
権力者と共に生まれたその時々の新しい文化と、残されて現存する歴史遺産、
平清盛でいうと厳島神社や美しい平家納経、それらの内容もカバーされてて参考になるDVDでした。
物語後半、第弐集は貴族の護衛役でしかなかった武士がついに世を動かすまでになる。 強大すぎる権力を手にし、栄華を極める平氏。だが、それは同時に平氏を精神的貴族とまで変貌させてしまう。それに対して反感が生まれはじめ、平氏は繁栄と滅びを一纏めにした危うい道へじわじわと舵を切る事となる。 かつて白色の主人公だった清盛は黒い権力の権化ともいえる姿に。簡単に言うとアナキンが暗黒面堕ち。 後半だけを視聴するとな『ぜこんな狂人をドラマにするのか』とさえ思えてしまうのだが、このドラマは連綿と築き上げてきた「人間」を最初から最後まで見事に描いていると思う。権力に溺れてしまいだんだんと志を見失っていく清盛ですが、不思議なもので一話から欠かさず見ている私には清盛の狂気ともいえる行動さえも正しい行動であると感じてしまう。鹿ケ谷の一件で西光が清盛を罵倒する場面など『お前に何がわかんねん。何様じゃコルァァッッ!』などとテレビに向かって睨んでしまったり(苦笑)。私が何様だって話ですね。 後半の清盛はおそらく善人では無かったと思います。邪魔者は処断し、目的のために手段は選ばない。ですが善悪関係無しにその生きざまは、ただただ眩しく、全力で、若き頃から何一つ変わってはいない。そこが平清盛の魅力なのではないかと個人的には思っていたりします。
前半は底辺の人間が昇っていくカタルシスを。後半は抜き差しならぬ心理戦の果てに滅びゆく切なさを。そして終わった後は後世に繋がる一縷の希望を(このレヴュー書いている時点でドラマは終わってませんが、ガイドブックで一応最後まであらすじは把握しているので、『終わった後』と書かせていただきます)。 そして失われた志は頼朝へと継がれる。平氏は滅び、志を引き継いだ源氏によって武士の世が生まれる。
|