正直なところ、今さらなぜベスト版?という印象は否めない。 TEOの持ち味を出すなら選曲にもう少し味が欲しいところでもある。 現段階で表向きには活動休止しているが、実状は解散に近い。この状況でベスト版を出すのは何を意味するのだろうか。 「これで終わり」ということなのか。 ボーナストラックのTHE ECCENTRIC OPERA RELOADED feat. RIKAKOの「サンサーラ」を聞くと、 「これからはこちらで行きます」 とも聞こえなくもない。 どちらにせよ、書上奈朋子氏の新曲が聴けるのは購入要因である。 (ただ、ボーナストラックだけ目当てなら同時期に発売された「emu」というコンピアルバムに収録されているのでそちらをオススメする。) アルバムをまだ持っていない方にはベスト版は有り難いだろうし、録音レベルが上がっているので、今までのアルバムを持っている方もTEOを俯瞰して見れるいいキッカケでもあると思う。
この声量、そしてアレンジともに高揚感をくすぐり車の中できいています。マダムバタフライ等実際にあれだけすばらしく歌い上げる歌唱力ともに評価対象になると思います。
原曲はクラシックだったり、ポップスやイージーリスニングのスタンダードだったりして、曲名は知らなくてもたいていの人が聞いたことがあると思える曲がほとんどです。 しかし、その聴いたことのある曲をこんな風に演奏し、歌っているのを聴いたことがある人はあまりないのでは? キーボードによるテクノで無機質なサウンド。その無機質さに合わせるかのような、肉声でありながら浮遊感にあふれ生身の人間から乖離したボーカル。それでいて、ただ冷たいだけのそれこそ無機質な音楽になっていないのは、丁寧に重ねられた多重録音によるハーモニーの美しさとクリスタルを思わせる音の美しさがあるからです。 原曲がクラシックであろうと、トラディショナルであろうと、彼女たちの手にかかると、刺激的なアレンジを施され、"エキセントリック・オペラの曲"としか表現しようのない独自の宇宙に連れて行かれてしまいます。
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