ファンの人には怒られるかもしれませんが実を言うと私、「惑星のさみだれ」が苦手で最終巻まで行かずにドロップアウトしてしまいました。というのも「惑星のさみだれ」の主人公(大学生)の中二病くささに耐えられず、どうしても感情移入できなかったからです。なので、この作者の本を手に取るかどうかは悩みました。しかし輪廻転生というキーワードに惹かれて購入を決めました。結論を言うとめっちゃ面白いです!「惑星のさみだれ」より取っ付きやすく、伏線の押し売り感もないので非常に読みやすいです。中二病くささは特に感じられません。主人公は中学二年生なので中二病でも構わないんですがね(笑)。「惑星のさみだれ」も最後まで読んだら面白い作品なのだろうと思わせるほど、節々に作者の才能の高さを感じました。2012年も残すところ僅かですが最後の最後に本命がやってきたなぁ、という印象です。シンプルな表紙とは裏腹に密度の濃い内容で大満足しました!
相変わらず、明るさと切なさの絶妙の配合!。一巻では、明るい絵柄だが、話そのものはせつなすぎるくらい。そして伏線が追いつかないほどの猛烈な展開速度に圧倒された。そして待ち望んだ2巻。やや過去生の悲惨さは抑え目(いや、直接描かれないだけで十分不幸なのだが)。展開も、やや落ち着いて、伏線の小出しで安定感ある作風。相変わらず面白くて満足。
しかし、繰り返される輪廻転生での恨みの中で、それでも時には笑い合える独特の空気は、とても不思議な感じ。刹那の幸せというものに、やはり、とても切なく感じたりも。
あと、過去世を見る順番って、過去から遡っているのか、適当なのか、それとも、別次元世界か、過去にさかのぼって生まれ直すこともあるの?1巻で、中世魔女狩りの時代があって、本巻でスフィンクス(の複製だが)を作る時代は、どっちが新しいの。どっちかというと、スフィンクスの時代が紀元前でギリシャかローマからエジプトにわたっている感じだが・・・。そのあたりも、一種の伏線というか、この物語の根源的な設定なんだろうとは思うが。
新しい試みを、との意気込みで描かれた短編集だそうですが、、、
散人左道の頃から愛読しているファンにしてみれば 相変らずの水上節が感じられる短編集ではないでしょうか。 ファンとして安心して読める納得の一冊です。 ただ一点だけ気になったのは、夜明のお相手はきららではなかったのでしょうか? 新しいお相手の方も良いキャラクターなので納得はしていますが、 次の短編集ではきららのその後を描いていただきたいものです。 売れ残りキャラのファンとして切にお願い致します。
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