触れてみたら本当にそこに存在するような気がしました。 それは、衝撃的なほど美しく、見るものを魅了します。
毛並み、肌の質感、すべてにおいて気の抜いた線は一つもなく、 紙一枚でこんなにも表現できるものかと驚きを隠せません。
作品集の装丁もとても綺麗ですし、 作品の間や色ののりも良くて部屋にさりげなくあると オシャレ度がアップしそうです。
また、最後の方には作業工程が写真付きで載っているので、 より深く切り絵というものに触れられるものになっています。 次に作品に出会う時は、また違った角度から作品と向き合えるのでは?
これは、紙という平面の世界を飛び越えた福井さんの世界そのものです。
美しいだけじゃなく なぜかよくわからないが 人間そのもののダークな部分も感じるので、 安心する作品集でした。 実物を見てみて体験したいと思いました。
初めて見たときに、なんだか怖さを感じました。 その怖さはどこから来るのか分からないのですが、 なにかワクワクするような怖さでした。
この作品は、白黒の世界がずっと続いているのですが、 その奥に、色や空気が見えてくる気がして、 スゥーっと吸い込まれていく感じがします。
一度見終わったあと、必ず二度、三度、と、 見続けたくなる作品です。
6000円以上の価値がたっぷりある一冊であると私は思います。
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