何気ない散歩道で、出会ったねずみ達の世界に2人がどんどん引き込まれていく様子は読んでいる私も同じでした。 −大きな鍵で開ける扉の向こうには、何があるのかなぁ??− 大人の私もワクワクしながら、どんどんページをめくりました。
とても柔らかな色彩で描かれている友情や冒険が、読み終わった後にほんわか心を温めてくれます。 お子様だけでなく、大人の方にもおすすめの作品です。
映画ジャーナリストの斉藤守彦さんによる「映画料金の変遷史」のような内容でした。 第1章で書かれているように「1800円は、他の娯楽と比べても高すぎます」というのが一般的な意見だと集約しています。この意見は映画の内容によるという前提ですが、平均入場料金が1214円ということで、そのあたりの値段が妥当だとすると本書のタイトルに行き当たります。
「製作」が投下した資金を「配給」「興行」が同じ財布に入れてしまうのが問題だ、と指摘しています。「映画と言う商品は確たる卸価格が存在せず、市場状況や興行環境あるいは配給、興行、どちらかの意向によって、この卸価格が変動するケースもある」と書かれています。いわばどんぶり勘定が今も生きている業界だということでした。
シネコン全盛ですが、人件費やテナント料はシネコン経営者にとって重要な問題であるのは当然として、後日レンタルで安く借りられるのに高い正規料金で見せる現在のシステムは果たして良いのかは、筆者だけでなく映画ファン共通の認識でしょう。 映画館の経営論としても面白いでしょうし、映画産業の流通過程の問題の指摘だと捉えてもよいでしょう。
映画全盛だった1960年前後から1970年代にかけて、映画人口の減少を料金値上げという形で補ってきたことを丹念に追い求めています。その年のスクリーン数と入場者数、窓口入場料金、平均入場料金、1館あたりの興行収入の割合の変化がそれを物語っていました。 映画料金がカルテルで決められているような具体例も披露してあります。映画ジャーナリストとしての良心とそこで仕事をする限界とが垣間見られる記述部分でした。
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