時期、会場、メンバー、画質、音質どれをとっても一貫性のないもの。しかし各メンバーのインタビュやおまけも付いていて楽しい。このようなつくりはDVDならではだと思うが賛否はあるだろう。 ハードロック寄りの楽曲の多い中、やはり「Under the Olive Tree」は超名曲だと思うしRocket Scientistsのライブより編集された「Avalon」のカッコ良さはこのDVD中でもベストと感じる。 エリクはこのDVDの編集に苦労したらしく、ギターリストの演奏自体と映像を差し替え、画面からアルイエン・アンソニー・ルカッセンを切り離すために不自然なカットが多くなっていたりとその苦心が伺える。それが醜く非常に残念だ。 できれば「Symphony of Angels」もRocket Scientistsのツアーからのカットにして欲しかった。原曲同様ちょっと激しすぎるのではないでしょうか。 選曲はもう少し何とかならなかったのだろうか。
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンの2012年作 1995年のデビューから、カヴァーや企画アルバムを入れると膨大なディスコグラフィーとなるが、 オリジナルアルバムとしては9作目。前作でのストレートなハードロック路線から、 本作ではシンフォニックな作風へと戻っている。8分の大曲から幕を上げ、 美麗なシンセアレンジとともに、艶のあるラナの歌声がしっとりと響いてゆき、 巧みなギターワークによる適度なハードさとともに、壮大なサウンドが広がる。 インスト部分のアレンジもとても細やかで、歌パートとのよいコントラストになっていて、 やわらかな聴き心地はプログレッシブ・ハードロックというような作風だ。 ラストの11分の大曲は、変拍子も含めた展開美でプログレリスナーも楽しめる。
シンフォニックハードの歌姫、ラナ・レーンのバラードアルバム第二弾。2000作 彼女の初期のアルバムはもっとメタリックな要素が強いのだが、ここで聴けるサウンドは、 叙情的なバラード曲で、やわらかみのあるシンフォニックな質感が心地よく楽しめる。 エルトン・ジョンの名曲“Goodbye Yellow Brick Road”の感動的なカヴァーをはじめ、 トムウェイツ、スーパートランプなどのカヴァー曲も、エリク・ノーランダーの手による 見事なシンフォニックアレンジと、ラナの美しい歌声でゆったりと聴かせてくれる。
先日、ほぼ同じ顔ぶれでラナ・レーンの10周年来日公演のDVDが出ているが、本作はその前年にエリクとラナのコンビ名義で行われた欧州ツアーからの厳選されたライヴ映像集になっている。
楽曲はロケット・サイエンティスツ、あるいはエリクのソロ名義の曲が中心だが、オランダ人のペール・ヴァーシューレン(G)とエルンスト・ヴァン・イー(Ds)という凄腕が弾き出す素晴らしい演奏でオリジナル盤を凌ぐ説得力を持って繰り広げられる。
ボーカルも、ラナとケリー・キーリングが音域の広さと感情表現の巧みさで素晴らしいの一言。特に、ケリーはなんとベーシストも兼ね、フレットレス・ベースを巧みに操り難易度の高いプレイも難なくこなしているのに驚いてしまった。歌い手としてだけではなくベーシストとしても一流だったんだ、この人...。
もちろん、御大エリクのプレイはパッセージの難易度、速度ではなく、むしろアナログ系のキーボードの音色を実にセンスよく織り交ぜるアレンジングと的確な指裁きで、楽曲に華やかさと起伏をうまく作っている。ソロアルバムにキース・エマーソンが賛辞を送っていたが、幅広い音楽性と、楽器への造詣の深さはキースをしても褒めるしかなかったのだろう。
欧州のファンともども、彼らを見出し評価している日本のファンは胸を張って良い、そんな感動がじわっと感じられる良質の作品だ。プログレファンはじっくり楽しめると思う。
私は星4つです。 井上芳雄さんにとってデビュー作となった作品の楽曲が入っていなかったのは残念ですが、Disk3のインタビューがとても良かったです。ご本人の語る10年間の足跡は一見の価値ありです。ただただ華やかなだけの10年だった訳じゃなく、日々努力の10年だったことを知りました。そして、まだまだ発展中であることを知り、これからの10年が楽しみになりました。
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