今DVDちょっとずつあつめてて、やっと初期シリーズ集まるって思ってた時に見つけてしまったこのDVDBOX……
何だろうなーなんか微妙な感じです
買うのは買うんだけどさ…
せめて特典をもう少し豪華にして欲しかったな… なんで-1点です
“ペトルーシュカ”がDGからのポリーニのデビューアルバムですが、 その3年前(1968年)に発売されたこのEMI盤が真の“再デビュー作”なのです。 ここに聴かれる当時26歳のポリーニが奏でるショパンには、一切の濁り・迷いがありません。 ショパンコンクール優勝後の長い沈黙期間からの鋭い目覚めの様にも聴こえます。 収録されているすべての曲・・・ポロネーズ・ノクターン・バラードは 後にDGに再録音されたものとの聴き比べも有意義で、 ポリーニは如何に円熟味をおびようが一貫して曲の基本的解釈にブレがないことが判ると思います。 バラード第1番は1999年の再録盤よりもこちらの方が切れ味鋭くスリリングで、好みです。 炎が吹き出るような凄まじい演奏には、言葉を失います。 HQCD化で音も一層鮮明となり、買い替えの価値大です。
リーズの演奏するバラードはなかなかに美しいです。テンポの揺らし方も結構大胆だしフォルテの処理が効いていて全体をロマンティックにまとめていると感じます。 テクニック任せにガンガン弾きまくるのとは違ってテクニックを押さえて豊かな感情表現に力点を置いた演奏が心地よいですね。 後半のコンチェウルトはホールの響きがゆったりとしているせいでしょうか?心なしかテンポ設定が遅めです。 その中での第2楽章の美しさたるや!それはそれは素晴らしいものがあります。 いつまでも少女ではない、女性としてのまろやかさというのでしょうか?円熟とまでは行かないまでも、着実に実りつつある表現のうまみがここには出ています。 ジャケットも美しいですね。本人はもうちょっといたずらっぽいですけど・・・。
書きたいと思うことは他のレビュワーさん達がすべて書かれているようなので、とりあえずちょっとだけ。
アンドラーシュ・シフ(ハンガリー人なので本来はシフ・アンドラーシュ)のピアノを聴くきっかけを 作ってくれたのが吉田さんだった。本書にも取り上げられているシューベルトのアルバムを購入してみた が、確かにとてもよかった。吉田さんの解説を知らなければ、シフを聴くことはなかったかもしれない。
吉田さんの音楽解説がとにかく魅力的なので、ピアノのCDを大量購入してしまいたくなってしまう(笑)。でも、 すぐれたクラシック評論というのはそうしたものなのだろう。
吉田秀和氏の「名曲のたのしみ」書籍化シリーズ第3巻。吉田氏独特の朗らかで飄々とした語り口 が蘇ってくるようだ。こうして文章化されたものを読んでみると、番組で語られていた言葉の一つ 一つが綿密に推敲され計算されたものであったことがよくわかる。該博な知識と豊かな教養の持ち主 だった吉田氏ならではであろう。
「名曲のたのしみ」を聴いたあとは、何か少しだけ自分が賢くなったような気分になったものだった。 吉田氏は自身が知的好奇心の塊のような人だったが、リスナーの知的好奇心を刺激する人でもあった。 それゆえ「名曲のたのしみ」は多くのリスナーに永く愛聴されていたのだろう。
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