Andy Summersの写真と言えばモノクロのイメージです。 前回出版された大型の写真集 "I'll Be Watching You" のように、 この本も表紙から写真までモノクロです。 厚さはずっと薄いですが、ハードカバーの装丁・紙の質なども近いです。
写真に説明が無かったのではっきりとは分かりませんが、最近の写真だけではなく 過去のツアー中またはオフの時に撮影されたものが多いのではないでしょうか。 中の4枚は "Throb" "I'll Be Watching You" に収められている写真です。 今回の "欲望の街" というコンセプトに合うものなので使われたのでしょう。 スーパー・スターとして世界中をを旅してきたAndyが、その途中で出逢った人や風景を 彼の視線で捉えています。
Andyの写真はいつも、自然に動いている瞬間の1コマを捉えたようで、 動きがあって生き生きしています。 その前後の物語を、観る人それぞれが想像出来るような写真だと思います。 どこまでも伸びていく線路、何かを見つめる女性の横顔。 自分もカメラマンであるAndyの視点になり、被写体を見つめる事が出来ます。 そして彼の写真に多く見られる手や足だけで顔のない人物写真。 想像力がかきたてられ、全体像を見るよりも強い印象が残ります。 そして物の外側の姿よりも内面を描き出そうとするAndyの写真には、 徹底的に色彩を排除したモノクロームの世界が合っているのだなあと改めて思いました。
不思議なことに本書に記述が無いが、アンディ・サマーズは1942年生まれ。すでに老境だが、森、ドリトル先生、ラジオなどが登場する少年期の記述は、マーク・トウェインの文章かと思うほど魅力的。
彼に影響を与えた音楽と、The Animalsなどのバンド遍歴が語られる。バディ・ホリーなどの他、ジャズにも大きな影響を受けており、デューク・エリントン、ケニー・バレル、セロニアス・モンクなどが取り上げられている。ジャズの他には、サン・ハウスなどのブルーズマンやバッハなど。ラモン・モントヤ(フラメンコ・ギター)など私の知らない音楽家もいる。
同年代のギタリストとして詳しく書かれているのは、エリック・クラプトンとジミ・ヘンドリクス。
アンディがAnimalsのメンバーとして来日したときの体験は、冒険活劇のようである。他にもThe Police時代も含めてメキシコ、アルゼンチン、ネパールなど多数の国を訪れており、旅行記としても面白い。
The Police初期の苦闘時代も興味深い。また、この頃にスティングがジョン・ダウランドに興味を示していたことも記されている。
The Police解散までで本書は終わる。原書は2006年に出版されたものであり、再結成については書かれていない。
ゴーストライターがいるのかもしれないが、全体として素晴らしい完成度で、私がこれまでに読んだ音楽関係の伝記・インタビューなどの中でも、指折りの出来である。
残念なのは、私が気づいただけでも10箇所はタイプミスがあること。特にローリングストーン「ズ」誌という間違いは、音楽関係の出版社から出たものとして情けない。また、”One Train Later”という優れたタイトルが(表紙には書かれているが)商売上仕方ないとはいえ、「ポリス全調書」となったのも失望。
ギターが,アンディーにはお構いなしに延々続きます。 初めて聞いたのは10年以上昔でしたが,今でも前衛的です。
ポリスのコープランドを彷彿させるビニーカリュータの手数の多いドラムとの絡みと疾走感がとても気持良い作品です。 大人っぽくかっこいい曲ばかり揃っていて、アンディの熟れたトーンがめちゃくちゃ良いですよ。 アンディのソロ作品の中でBESTな作品だと思っています。 買って損はないと思います☆ライブ行きたいなー、来日しないかなぁ。
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