文豪たちの自作朗読という、 こんな音源あったんだって感じの超レアなCD。
朗読ってただ読めばいいってものではなく、 演技力、滑舌の良さ、間の使い方といった「技術面」と その人の個性が出る「声の質」 という2点が重要だと思うのですが、 この観点からこのCDを評価すると 全体の感想としてはかなり良い感じです♪
読み方のうまい朗読もあれば、 余り上手ではないけど味のある朗読もあったりと 楽しめる朗読ばかりです。 また朗読をそのまま楽しむのではなく、 ファンである文豪の声を聞きながら想像をふくらませる という楽しみ方が出来るのも本品のいいところ!
以下、気に入った朗読者です。
「北原白秋」…一人で6トラックも入ってるだけあって、味のあるいい朗読です。軽く棒読み気味なのですが声の雰囲気が良くずっと聞いていられます。そして途中から入ってくる歌(詩?)を読み方もちゃんと節を付けてて良い感じです。
「与謝野晶子」…何言ってるか分かんないのですが全体の雰囲気はとても心地良い感じです。この声は癖になります!!!!!!
「高浜虚子」「堀口大學」…基本棒読みなのですが、間の使い方が上手いです。
「河井酔茗」「土岐善麿」「釈迢空」「太田水穂」「尾上柴舟」…どこか純邦楽に通ずるような節をつけた読み方は素晴らしいです!
「野口米次郎」… 神社で祝詞あげてるのかってくらいのかしこまった朗読。これはこれで味があります。
「川路柳虹」…下手ではないのですが、ただ音読してるだけといった感じです。
「西條八十」…あまり上手じゃないのですが、人柄が出ている読み方で聴いててほのぼのしてきます(*'ω`*)
「坪内逍遥」…めちゃくちゃうまいです!!!!!! 演技がうまい!!!!!!! 滑舌がいい!!!!!!!! 間の使い方うまい!!!!! 声がいい!!!!!!!!! ファンになりました(*'Д`)
全部入っているので大変便利。坪内訳に同時にあたれるのもありがたいです。当然のことながら、重くてでかいので、持ち運ぶのは難儀です。あと、英文の文字がもう少し大きいとよいのですが。
明治に書かれた文章のため、 少しわかりにくい部分もあります。 しかし、ストーリーとしては、 二転三転と非常におもしろい。 昼メロになりそうな感じです。 しかし、ここに出てくる書生が 当時の大学生だとすると、 昔の学生はよく勉強した、というのは ウソなんですかねえ。 学校行かず、門限破って遊んでばかり。
ちなみに、この内容、現代だと キャバクラ嬢と大学生のラブストーリーに なるんでしょうか・・・
近代文学黎明期の記念碑的な作品。「そもそも美術(本書中では『芸術全般』を指して『美術』と書かれている)とは」「小説は近代以前の物語文学と如何に異なるか」など、明治中期の文芸思潮がよく分かる作品である。現在に於いては自明である概念が主体なので、新たな発見は無いかも知れないが、近代文学の出発点に於ける叩き台として、歴史的価値の高い書である。長らく絶版状態だったが、重版再開で入手しやすくなった。
むかし(30年くらい前だったか)、レコード時代にコロムビアより、ほぼ同じ布陣で2枚組朗読復刻がでたことがありました。与謝野晶子のほとんど巫女さんのような神がかった朗読の迫力や、白秋の独特の間合いの取り方、斎藤茂吉の、東北なまりの訥々とした朗読、萩原朔太郎の鬼気迫る声・・・など、そのときにはじめて聞き、98年CD化されたときは本当に嬉しかったです。 ただ、そのとき残念だったのは、レコードのときには収録されていた、坪内逍遙自身の訳・朗読による「ハムレット」一節が収録されていないと言うことでした。 逍遙は、いま流行りの日本語の朗読について、文学者として最初に本格的に朗読法を研究したひとでしたし、明治末には、その玄人の歌舞伎役者を思わせる声色で、早稲田の授業に出席していた正宗白鳥や近松秋江などを魅了してしまったひとでした。その、伝説の声色がここに復活している!という、かつてレコードを聴いたときの興奮を思い出すにつけ、それを省略してしまっているCD版への不満はいかんともしがたかったのですが、30年ぶりに、(オリジナルからすれば70年以上にはなるでしょうか)ついに、出るんですね!
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