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元ジャパン、JBKのミック・カーンの遺作。
80年代のブリティッシュミュージックの中でも異彩を放っていたが、無くなる前にここまで素晴らしい作品を作っていたとは返す返すも残念。
彼を知っているミュージシャン、ファンは、この才能が唯一無二だと知っていたからこそ、癌で病床にあったときにチャリティライブを開くなどして応援しようとしたのだろう。
オリジナリティ、という言葉に惹かれる人は一聴の価値有り。
基本的には'@幼少期からジャパン前、'Aジャパン時代、'Bジャパン以降にわけられる自伝のようです。 '@は今まであまり語られてこなかったと思われるバンド結成以前の交友関係が興味深い。この頃までは割とみんなうまくいっていたのだな、ということが判って面白かったです。 'Aは割と知られているジャパンというバンドの内実と経歴が語られていて、それも今まではこの人の視点では語られてこなかった部分が多いのでやはり興味深かったです。この辺からデビッド・シルヴィアンとの確執が芽生えていったらしいのは色々な文献やインタビューで知られていますが、内部に実際いて体験した人の視点から語られているのでリアリティーがあり面白かったです。 'Bはジャパン以降の足跡が語られていてこのあたりも今まであまり系統だって語られてこなかったと思うし本人の独白で綴られていてリアリティーがあり面白かったです。特に折角事実上再結成したのに却って人間関係の悪化してしまったレイン・トゥリー・クロウのところが面白かったです。あの素晴らしいアルバムにかくも嫌な実態があったのを知り驚きました。 という流れと同時に本人の女性遍歴も横糸として語られ恋多き人でこの辺はミュージシャンという枠から離れたら一人の人間だったのがわかり興味深かったです。 その他にも色々なミュージシャンとの交流も詳述されてますが、中でミュージシャンとしてリスペクトされるのがウザったいというような記述があり、たいがいのセッションを殆ど金の為にしていたといっているのに少し驚きました。が、或は謙遜としていっているのかな、とも思えたので真偽のほどはもはや判りえないですが。 それとやはりデヴィッド・シルヴィアンのことをかなり悪く書いているのが印象に残りますが、あくまでこの人の視点ですのでそのあたりは勘案しながら読んだ方がいいかもしれません。亡くなる直前には多少和解したらしいですが。 あと、自伝ですが、時系列順に編年体で構成されていないで、時間や場所、人間関係が錯綜する構成されていますが、これは多分ミック・カーンのあの独特なベースライン、聴き手を驚かすような進行をする調べと本の構成を同期させたものと思います。 ジャパン時代かなり儲けたのかと思ってましたがそうでもなかったのも意外。亡くなる前は高額の医療費の為に寄付を募っていたのもそういうことだったのかと納得。 兎も角偉大なるミュージシャンの残した魂の吐露として万人に読んで頂きたい本ですが、読む人は限定されるかな。造本もアートとして凝っていて関わった人の熱意が伝わってきます。はっきりいって読みにくいですが。私は面白かったです。
ジャパン時代の「錻力の太鼓」に収録されていた"CANTON"でのミック・カーンのベースプレイは圧巻でしたが、このソロ作では全曲でその軟体動物のようなベース演奏を楽しめる低音弦奏者垂涎の作です。CDで"The Sound Of Waves"が追加されたことでさらに素晴らしい作品になったように思えます。E.フレットレスベースプレイというとジャコ・パストリアスの名が真っ先に挙がるのが通例ですが、私は彼こそがフレットレスの特徴を生かしきったベースプレイヤーだと確信しているので、E.フレットレスベースプレイの真髄を聴きたい方にはジャコや他の誰よりも彼のこの作品を推奨します。
基本的には同じフレーズの繰り返しがここでのプレイの基本なのですが、微妙なタイミングのずれや凡人には理解不可能な「音選び」など彼にしかできない独創的な演奏が異常に魅力的です。個人的にはデビッド・シルヴィアンよりも好きな彼の繊細なボーカルも捨てがたいし、そこに執拗に絡みつくベースがまたよろしい!のです。
ジャパンのメンバーのサポートや、ミック自身のベース以外のプレイヤビリティーも見逃せません.........が、やはり最初から最後まで耳を引くのはやはり「ベース」です。中近東風の音世界での統一感、また"Savior,Are You With Me?"や"Sensitive"などはポップ感覚もばっちりなのでベースの事は抜きにしても客観的にみて優れた作品と断言できます。休みの日にぼんやりと浮遊したい気分になりたい時など、特にもってこいの音楽かと思いますが、音を上げすぎると突飛な低音に不意をつかれてビックリするのでご注意を。
自分が購入したときはヴァージン・ジャパンのシリーズ物のときに購入してしまい日本語の解説等がなかったときで少し残念でしたが、内容はアンビエント風でノスタルジックもるので良かったです。
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