映画ははっきり言って好きではありませんでした。…ただこの音楽は好き過ぎるのでつい買ってしまいました。但し殆どの曲に共通した主題が使われているので少々飽きが来るのが早いかもしれません(笑
2008年8月 "ぜひBDで出してほしいタイトル" に投稿して5年がたちました。即購入、鑑賞しました。
あらためて観て、主人公の彼女が 掃除の許しを請うさいに「光が変わります」といった一言、雲の色を問われたときの一言や、椅子をずらして絵が完成するストーリーにドキッとしましたね。イヤリングが描けず未完成の 「真珠の耳飾りの少女」を見せられた彼女の一言にも。 昨年、その絵が日本に来て何度も会いに行きました。観るたびに 「何を言おうとしてるの?何を言いたいの?」 そう思ったことを思い出します。
スカーレット・ヨハンソン 若い彼女の名演あっての一品ですね。
ただ、思い入れが強かったせいか画像が今一つ荒く見えたのが気になりました。
17世紀のオランダ。少女フリートは、画家フェルメールの家で女中として働くことになる。行き届いた仕事ぶりをかわれ、やがて家人にも内密に、画家の仕事をも手伝うことになる。フリートは寡黙なフェルメールに、敬意とも恋心ともつかない淡い思慕の情を抱いてゆく。 本書は表紙にもあるモデル嬢を主人公にした物語だ。世俗の煩瑣に目をつむる芸術家の身勝手とも思える要望に、ひとり身を砕くフリートの姿は痛ましくもいじらしい。事の本質をこまやかに見抜くフリートには、あらかたの顛末が見えていながらその流れに逆らえなかった。それが、作家と同じ魂を抱いていた証なのかもしれない。絵画のモチーフにもなっている、頭髪を隠した「頭巾」や「真珠の耳飾り」という小道具は、物語に象徴的に取り入られており、この点も読者にはお楽しみのひとつである。
プレミアム版を購入しましたが、大満足です。映像、音楽、台詞、全てがとにかく美しい。
コリン・ファース扮するフェルメールの演技が光ります。スカーレット・ヨハンソンも素晴らしい。抑えられた情熱、なのでしょうか、両者のやり取りはいつも、距離を置いていながら官能的です。日本版ポスターのような顔(体?)を近づけるシーンは皆無です(あのポスターはグリートとフェルメールの精神的な距離・近さを表現しているのでしょう)。
こんなに美しい映画を見れてよかった。21世紀にも芸術は生まれるんですね。
17世紀オランダの画家フェルメールの絵「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」の舞台裏を描いた小説です。
この小説を読んでいると、デルフトの街を一緒に歩きフェルメールの屋敷に住んでいる気分になれるほど、臨場感溢れる描写が続きます。 そうした環境の中で、フェルメールとフリートの主人と女中と言う関係を超えた心の通い合いが見事に描かれています。 この相互の感情が、どれほどのものであり、どれほどの恋心であったかは、当時の時代背景を考慮に入れれば、相当強い恋愛感情だったのだろうと思われます。 このあたりの心理描写は素晴らしく、主人(婿養子)としてのフェルメールの感情を殺した行動と、抑えても抑えても溢れ出てしまうフリートの感情が、実に良く伝わってきます。 更に、映画と違うラストの1章が、フェルメールの押し込められていた感情が表面に打ち出されます。
フェルメールの絵画のバックにあるものを知る上でも素晴らしい作品だと思いますが、それ以上に素晴らしい恋愛小説だと思います。
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