難解な作品を撮るという印象が強い タルコフスキー監督の作品の中では 分かりやすく観やすい作品。 戦争という大きな渦に巻き込まれ 妙に大人びてしまった少年と 彼を取り巻く軍人たちの悲しみ。 平和な時代に子供として過ごせたことに 改めて感謝をしたい気持ちになる。 「古い映画は名作と言われててもちょっと退屈」と 思っている方でも退屈せずに観れる佳作。 後に巨匠になるタルコフスキーの力量の片鱗を 映像から感じずにはいられないだろう。
戦争とはなんだろう なんで戦うんだろう 平和を目指すために戦争をするというのはどういうことだろう
紛争地域ではどんな危険があり そしてそこに住む大人や子供は、どんな暮らしをしてるんだろう
大雑把ながらも、世界で起こっている戦争を でも、しっかりと読んで理解することが出来る本です。
子供向けに書いたので、難しい漢字にはルビがふられ 行間は広く、大人なら数時間で読みきれてしまいますが、 読んだあとに残る知識は膨大です。
主に子供たちにふりかかっている悲劇が書かれていますが、 世界の子供たちのなかには こんな生活をしている子がいるのか 誘拐されて兵士として訓練される過程で 家族を殺さなければならない極限の状況があるのかと なんとなく朧気にニュースやインターネットで知っていた事実を 写真とともに突きつけられます。
残酷であっても 子供にもしっかりと理解できる内容となっています。
著者が紛争地域の取材で、 最初は疑問すら感じていたジャーナリストの使命というものを見つけ そして世界に発信していく重要な役割を担う上で 日本の子供たちに考えて欲しい事を 人生最後の著書として著したのが本書です。
ぜひ一読して、本当の平和というのはなんなのか 国にとっての、そしてそこに住む国民にとっての平穏とはなんなのかを 感じ取ってほしいと思いました。
この作品は、タルコフスキーの作品の中では、まだ完成度が不十分である。特に、イワン少年の性格が類型的である事とソ連軍を美化し過ぎて居る事は、この作品の決定的な欠点と成って居る。しかし、これは、第二次大戦からさほど年月が経って居なかった当時のソ連の政治社会状況を考えれば、仕方の無い事であろう。そうした欠点にも関わらず、この映画には、多くの美しい場面が有る。例を挙げれば、太陽を背にした破壊された教会の光景や、イワン少年の回想に現れる狐の嫁入りの光景など、タルコフスキーの後の作品を予感させる場面が随所に見られる。特に、この映画に、タルコフスキーが傾倒して居た黒澤明と溝口健二の影響が見られる事を興味深い。具体的には、先ず、上に述べた様に、イワン少年の性格は類型的ではあるが、そのイワン少年が、子供であるにも関わらず、自らドイツ軍との戦いに加わろうとする姿は、『七人の侍』の菊千代(三船敏郎)が、本当は侍でないのに、野武士と戦おうとするのに酷似して居る。(『七人の侍』の野武士が、この映画のドイツ軍なのである)又、そのイワン少年が河を渡ろうとする場面と酷似した場面が『七人の侍』に見られる事も興味深い。 タルコフスキーは、日本映画を深く愛し、日本人は、タルコフスキーの映画を愛した。私は、その事を誇りに思ふ。
(西岡昌紀・内科医/タルコフスキー没後20年目の日(2006年12月29日)に)
知っているようで知らなかった紛争地の現実の姿が描かれている。日本のメディアではあまり伝えられない、あるいは伝えていても一過性のニュースで終わってしまっている出来事を時間をかけ、丹念に取材している。冷静でとつとつと語る(!?)文章に引き込まれてしまいました。大げさに大儀を掲げたり、主義を主張していないところもとてもよかった。
声をあげたくてもあげられない人にかわって世界に伝える姿勢に共感が持てる。取り上げているチェチェンやイラクなどどれも悲惨が現実ばかりだけれど、読み終わった後、とても前向きな気持ちになる。
難解な作品を撮るという印象が強い タルコフスキー監督の作品の中では 分かりやすく観やすい作品。 戦争という大きな渦に巻き込まれ 妙に大人びてしまった少年と 彼を取り巻く軍人たちの悲しみ。 平和な時代に子供として過ごせたことに 改めて感謝をしたい気持ちになる。 「古い映画は名作と言われててもちょっと退屈」と 思っている方でも退屈せずに観れる佳作。 後に巨匠になるタルコフスキーの力量の片鱗を 映像から感じずにはいられないだろう。
|