ファン待望のマシュマロ通信続編。 最初はやっぱりちょっと高めだなあなんて思ってたのですが手にとって納得しました。 9巻までの印象で実物を見たらまず厚さにビックリです。比較してませんが2倍くらいありそう。 またおまけも充実していてポストカードにマシュマロ学院新聞部の記事が綴じ込みされています。 その上フルカラーときたらとんとんどころかお釣りが来るぐらいの出来です。 お話も往年のファンはもちろん新たにルンルンワールドに足を踏み入れた方にも取りつきやすい構成です。 書き下ろしは特にファンはニヤニヤしながら見れます。 そういえば書き下ろしの絵柄ですが長い年月を経て連載当時のものとは異なるため少し不安もあったのですが杞憂でした。 もちろん2話目(書き下ろしは1話目)以降の絵柄と見比べると違和感はありますが 読み終わったその読後感からどちらもマシュマロワールドに変わりないことを実感しました。 続刊は売れ行き次第みたいですがきっと近い内にいいお知らせがきけることと思います。 サンディ、クラウド…みんなおかえりなさい。
この作品は2000年から2001年にかけて宝島社の「CUTiE comic」に連載されたものの単行本です。 後に2002年から2003年にかけて講談社の「Vanilla」に続きのお話が連載されましたが、 この「シトラス学園 キューティ」には続きの「Vanilla」版は収録されておりません。 もちろん連載の最初からなので「CUTiE comic」版だけでも十分楽しめます。
そのかわりに、この単行本のためにオールカラーの描き下ろし新作が収録されております。 連載当時に、登場人物と同年代だった人たちには、特に感慨深いものがあるのではないでしょうか。 たいへんすてきな内容なので、この描き下ろし新作だけでも、持っている価値が十分あります。 さらに、装丁もすばらしいです。新作と思われるカバーイラストも楽しめます。 カバーでかくれてる表紙と背表紙には主要登場人物が名前入りで紹介されています。
カバーイラストについて少し空想してみました。 表紙部分にはデイジーの憧れが描かれているような気がしました。 バースデーケーキのローソクを消そうとしているのはデイジー。気のせいか少し幼く見えます。 ここは彼女の夢の中で、コンプレックスのせいで実年齢より幼くなっているのでしょうか。 かっこいいバンドとそのクールなガールフレンド(イギー&ジル、マーク、アンディ) デイジーはイギーに密かに憧れていて、バンドに入れてもらいたがっていました。 女の子らしい外見で成績優秀な同級生(スージー) 本当はそれだけじゃないけど、デイジーはたぶん彼女の悩みを知りません。 貧しいけれど仲の良い兄妹の家族(ボリス&ミッシェル、マチルダ、モモ、トーボ、ともう一人) 一人だけ名前のでてこなかった妹さんは何て名前なのでしょう、ちょっと気になります。
背表紙はデイジーのトラウマが描かれているような気がしました。 窓の外に閉め出されているのはデイジーのペットのマッドちゃん。 またケンカでもして追い出されたのでしょうか、うらめしそうな表情です。 宇宙人たちに追いかけられているのはリスキー。小突かれた仕返しに半殺しの目に遭わせても、 まだ怒りがおさまらないのか、ここでもひどい目に遭わせています。 イスに座っているのはサミーちゃん人形。よその家に逃げていなくなった代わりの二代目でしょうか。
右ソデにはときどきいっしょに遊んだりする子たちがいます。 仲良し三人組のドロシー、マニー、ミランダと、街角で魔法業をしているルーシーです。 ミランダが準主役級の活躍をしていたのに、マニーに主役回がなかったのは少し残念でした。
右ソデは本編においては結構活躍していたけど、デイジーとはあまり交流のなかった人たちです。 仲良しのロベルタとジャック。二人はだいたいいつも一緒にでてきます。 一人で本を読んでいるのがニコル。彼の出てくるお話はなんだか彼の書いたSF小説みたいです。 額縁の中にいるのはシトラス学園校長先生。かなりユニークなプロフィールの持ち主でした。
続きが気になるという方には、2005年に太田出版から出た「シトラス学園 完全版」があります。 こちらは「CUTiE comic」版と「Vanilla」版にその近辺の短編作品が収録されています。 現在絶版状態の希少本ということで価格が高騰してるみたいです。
この作品は架空の東ヨーロッパの小国シトラス公国を舞台にした少年少女の物語です。 シトラス公国は国の中央にあるシトラスマウンテンを境に北と南の二つの地方に分かれています。 北部がシトラス地方、南部がマシュマロ地方と呼ばれています。 シトラス公国を舞台にした作品は他にもあります。
2004年から2006年に朝日小学生新聞に連載の「マシュマロ通信」(2004年〜2005年にアニメ化) シトラス公国の中央にある山はマシュマロ地方ではマシュマロマウンテンと呼ばれています。 サンディ達はおそらくデイジー達と同年代です。いつか彼女たちの交流が描かれないかと期待しています。
2006年から2008年に芳文社のまんがタイムラブリーに連載された「ミス・ポピーシードのメルヘン横町」 たぶんあのルーシーがでています。ミートベジの屋台やシトラス学園の校長先生がちらっとでてきます。
星が三つなのはDVD一巻では「ライムの初恋」が入ってないからです。 ライムの初恋は名作。大人でも、というか大人だからこそ感じるところも多いはず。 未収録話はさておき、このアニメ、なかなか面白い。 懸賞の商品のぬいぐるみが生きていた!というところから始まりますが、なんでぬいぐるみが生きているのか?という謎には関係なく、サンディーと仲間達のドタバタ劇がひたすら続く(笑 しかも笑えるだけ、シリアスなだけ、という偏った話は無く非常にバランスがいい。一巻収録のドッペルゲンガーの話では、ドタバタ劇が続きますが、ラストでサンディーがクラウドを思う気持ちが描かれています。泣けるシーンです。 このサンディーという子は友達の中でもリーダー格。新聞委員の委員長も務めています。弟も二人いてさぞ面倒見のいいお姉ちゃんキャラなのだろうと思いきや… 「言うこと聞かないとひどい目に合わすよ!」 なんと番長キャラ。まあ言いすぎですが(笑 そんな彼女が時折見せる優しさが涙を誘うのです。見せるのは本当に時折。9:1くらいでしょうか。安っぽい感動モノが氾濫してる今の世の中では、このくらいが妥当でしょう。彼女の優しさに安っぽさは無いのです。 姐御、といいたくなるキャラですね。「彼女にしたい」「妹にしたい」という萌えキャラが流行ってますが、彼女は友達に「なりたい」キャラでしょうか。
ちょう面白かったです! 山本ルンルンというと、アニメにもなった『マシュマロ通信』や『オリオン街』あたりの朝日小学生新聞に載ってるような明るくポップなマンガの印象が強かったけど、本作のお話は大人びていてビターな味わい。宇宙人のお話と、嘘つきの女の子のお話が、特に自分好みでした。
最後に載ってるゾンビのお話は、著者のブログによると『恋はみずいろ』をBGMにしてほしいとあったので探してみたら、おお、なるほど、お話とぴったり合う感じですね。ブラボー。 http://www.youtube.com/watch?v=QnsqBCSBW88
この巻は、マシュマロ通信の編集部員を中心に 展開される話が多いです。 もともと登場人物の個性が魅力にもなっているアニメなので こういったキャラクター紹介的な話も面白く見れました。
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