滅多にTVドラマは見ないが、この作品には嵌ってしまった。
この作品のテーマは「結婚」ではなく「家」という言葉の解釈である。「家」を英語に直すとHOMEとHOUSEとなる。HOMEとHOUSEの違いを巡る喜劇が本作だ。
主人公は建築家である。「キッチンを中心とする家」を理想とする彼にとっての「家」とはHOUSEである。つまり建築物としての「家」ということだ。「キッチンを中心とする」という事は実はHOME、つまり「家庭」を意味している。主人公は建築物としての家を語りながらも、本質的には家庭を語っている。但し、それに気が付いていない点から喜劇が始まり、それに気が付くまでの過程がこのドラマである。
主人公はヒロインに家の設計を頼まれる。主人公は建築物としてのHOUSEの設計を考えるが、その建築物が自分にとってのHOME=家庭になることを意識した瞬間に設計が出来なくなる。自分が今まで設計を通じて目指したものは建築物ではなく家庭であったことに気が付いて、動けなくなったと言ってよい。 翌日主人公はヒロインにそれを説明しに行く。診療室での二人のやりとりは圧巻と言ってよい。ヒロインは、それでも建築物に拘ろうとする主人公に対して「家なんかどうでも良い」と言い放つ。この瞬間に主人公は救われたといってよい。建築物としての家から家庭としての家への転換が、そのヒロインの言葉で明示されたからだ。
エンディングシーンも秀逸だ。ロールキャベツがプロポーズに使われる場面は初めてみた。この作品では登場人物は常に飲食している。「キッチンを中心とする家」とは「家庭での食事を中心とする家」という意味なのだろう。それを無意識に進めてきた主人公にとって一緒に家庭を造る相手へのプロポーズが「ロールキャベツを作る」という表現になることは当然なのかもしれない。
阿部博は言うまでもないが、夏川結衣が素晴らしい。このようなコメディエンヌの存在は、大袈裟ではなくて世界に誇れると思う。驚異的な芸達者だと僕は思った。
それにしても日本のドラマにも凄い作品があることが分かった。
押しつけでもなく、説教でもなく、 「現代に生きる男女の結婚観」がよく伝わってきました。
特に、「あなたの結婚したい! は、恥ずかしくない」という項目。 これって本能なんですね。 うーん、なるほど。 確かに、今の20代後半から30代あたりは 「男性からプロローズされなきゃ女としてどうなの?」 という気持ちがあるのかなあ。 そのへんを押し殺している人もいますね。。。
女子の気持ちを理解しつつも 「オトコって本当にどうしようもない生き物でごめんな」と言いながら 男性の気持ちを教えてくれる野浪節は いつも安心して読むことができます。
別に肉食じゃなくても、女子がやんわりと結婚を進めていく現代の結婚。 幸でも不幸でもなく、そういう状況に生まれちゃったってだけなんですね。 結婚に対して、ちょっと前向きになることができました!
コミカルでちょっと泣ける話にハマってOSTまで購入してしまいました。 OPで使われている曲だけでなく、どの曲もドラマの雰囲気にぴったりな元気がでるイイ曲ばかりです。 ぎこちない2人の恋の結末が楽しみです。
仕事ができお金もあるだけでは結婚できない男が実に的確に描写してあるドラマです。結婚している結婚していないに関係なく男性は見たら自分を見つめ直すことができると思います。あとタイトルは結婚できない男ですが、結婚できない女もよく描写してあります。男女問わずに見ていてすごく楽しめいろいろ考えさせられる傑作です。今年のドラマの中で5指に入るお勧めです。
阿部さんの再放送をみて、リメイク版が気になり見てみましたが…。
物語はかなり忠実ですが、 やっぱり阿部さんと夏川さんのドラマの印象が強く、 リメイク版を見ていても物語が忠実だからこそ原版は越えられていないと思いました。 元々早い展開じゃないドラマを韓国ドラマの長さまで引っ張ったせいか、かなりゆる〜い話の進みですね。
阿部さんがはまり役すぎたんでしょうね(^^;;笑。
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