当初、映画は映画館で見ました。映画の冒頭、モノクロームの朽ち果てたオペラ座が、パイプオルガンの調べにのせて、美しく色彩を帯びた繁栄時の華やかな劇場に変わっていく様子は、映画ならではの醍醐味です。 このシーンだけは、舞台では作り出せないと思います。 クリスティーヌ役のE・ロッサムの清楚で清らかな美しさと、繊細な歌声もいいのですが、ファントム役のG・バトラーのセクシーさに心奪われました。 バトラーの歌声は、公開当時から賛否両論あったようですが、ロックがかった歌唱法と声は、危険な香りがして、官能的で私は好きです。
ミュージカルナンバーのどの曲も、名曲揃いで素晴らしいし、映像も美しいと思います。 チャプターで、好きな曲を何度も繰り返し聞けるので、映画全体を見る楽しみとの両方が堪能できる作品です。 特典映像がすごく充実しているので、★5個にしました。 本作は、傑作ミュージカルの映画化で、当初はA・ロイド・ウェーバーが初演舞台の主役S・ブライトマンによる映画化を切望していましたが、映画製作会社と話がおりあわず、長年の願いがかなって製作された作品です。
一通りプレイしての感想です。世界観はまさに「ゴシックファンタジー」でした。その世界観を彩る 音楽が個人的にはかなり感動しました。音楽はかなりレベルの高い仕上がりとなっています。
ストーリーですがどのルートも内容はほぼ一緒ですが、後半から大きく分けて3つのルートに分かれて いきます。個人ルートはかなり短めです。また個人ルートでも一つのルートだけでは「?」となる場合が 多いので、様々なルートを試してみる必要があると思います。
内容ですが、「暴力・流血などの描写、表現が含まれています」といった注意書きの通り、かなりの 頻度で盛り込まれています。苦手な方に関しては、絶対に避けられませんので購入しない事を お勧めします。各キャラクターの内容としても「まさにgood end」といったものもあれば 「goodか…?」というものまであります。「絶対にハッピーエンドがいい」という方には 辛い展開が多いかと思います。そして猫兄弟に関しては想像以上でした。そしてどのルートよりも 過激な内容となっています。HPや雑誌でそういった感じのCG描写がありましたが、本当にあんな感じです。
声優さんは非常に豪華で、高い演技力を誇る方ばかりなのでより世界観を引き立てています。 ゲームをして寒気を感じたのは音楽・ストーリーだけでなく、声優さんの演技力も 大きく影響していると改めて思えました。
PSP版では過激さが抑えられるようですが、また違った視点で…との事なのでこちらも 楽しみにしています。内容は各ルートもう少し濃くしてほしかった…と思うところでしたが、 良い意味で想像以上のゲームでした。注意書きが「大丈夫!」って方に関してはお勧めできるゲームです。
私は「ミュージカル」→「原作本」→「DVD」の順にオペラ座の怪人を観ました。 DVD(映画)がミュージカルをベースにかなり忠実に再現(全編歌を主軸、進行がミュージカルのテンポ)しつつも原作本の要素も一部反映(地下に行くときに馬が出てくる。ラウルが水攻めに遭う、など。これらはミュージカルにはない。)させた上で、しかしちゃんと映画独自の面白さ(ラウル子爵の追想の形をとっている、オークションのシャンデリアから過去にフラッシュバックするときのオペラ座のCGの見事さは映画じゃないとできない、剣の決闘シーンがある、映画独自のラストシーン)があると思えました。特に映画独自のラストシーンはいいですね。ミュージカルにない「その後の3人の人生」を想像させる要素が入っています。(ミュージカルが好きな方には余計なラストに思えるかも知れませんが。。) ファントム役のジェラルド・バトラーの歌声に対して賛否両論ありますが、最初気になりましたが、ストーリーの方にぐいぐい引っ張られるので、最後のほうは気になりませんでした。逆にファントムの情熱や圧倒的な迫力、苦しみ・悲しみ・せつなさ、女性が本能的に惹かれる危険な香りはバトラーならではでしょう。
初めての「オペラ座の怪人」がこの作品(笑) 今思えばエグーイ作品ですが、とはいえ決して 「気持ち悪さ」「後味悪さ」が残るような映画ではありません。 曲もいいし、ストーリーの流れもテンポいいし、 確かに首切ったり内臓えぐったり、自分の顔縫ったりと 残虐さ満開とはいえ、ファントムのやるせなさ、切なさがうまく表現されてるし、 「ファントム(エリック)、もうちょっとアプローチ変えたら うまくいくのに・・・」 とちょっと彼を応援してしまう自分もいました(笑) セットや衣装もとても良くできており、 個人的にはコレが一番好きな「オペラ座の怪人」です。 正直、他のは生ぬるい!!! と感じてしまうのは、変かな〜(笑)
人間のドロドロした欲望や正念の部分をうまく表した作りだと思います。
映画(ロイド=ウェーバー版と、戦前のカラー作品の2種)とミュージカルの鑑賞経験後に、原作を今回初めて読書。 原作を読んで改めて感じたのは、ロイド=ウェーバーのミュージカルが、この長編小説のエッセンスを巧みに取り入れた傑作だということです。
映画やミュージカルでは詳しく描かれていない、怪人の生い立ち、オペラ座の地下に住むようになった経緯が詳細に書かれている点が原作の最大のポイントでした。 また、怪人とクリスティーヌの地下生活が映画や舞台よりも長期で、クリスティーヌが仮面をはぎとった際の細やかな心理描写、クリスティーヌが怪人を欺き、仮面を焼き捨ててからの描写もあります。 特に、地下生活の描写では、クリスティーヌが、か弱き美しい乙女ではなく、芯が強い女性の部分を感じました。 また、「音楽の天使」の歌声になぜ心を捉えられるのか、という描写には説得力があるかもしれません。 「ありのままの自分を愛してくれる」という、クリスティーヌの言葉を怪人が信じ、至上の喜びに酔いしれて心を許していく経緯や、自分にひれ伏して大事に扱って愛してくれる怪人に抱くクリスティーヌの心情など、男女の愛情の機微が、登場人物達の言葉によって細やかに表現されていました。 もし、怪人の容貌が違っていたら、クリスティーヌだけではなく多くの女性が、才能と知性があり、紳士的で愛情深い怪人に心惹かれていくのではないでしょうか? 特に、クリスティーヌにとっては、欠落した父性を補う部分があったのかもしれません。 自らの苛酷な運命を呪いながら、絶望と孤独の中に見出したクリスティーヌへの愛、彼女自身と才能を狂おしいほど愛するがゆえに、次第に常軌を逸していった不幸な怪人。 彼の、「ただ普通の生活がしたい」というささやかな願望に、胸をを打たれました。 「音楽の天使」に抗えない心理〜「ファウスト」のごとき心理的葛藤も、作品の大きなテーマの一つのように思えます。
登場人物達の会話は、饒舌すぎるほどで言葉の洪水です。 会話に「・・・」が多用されていますが、親しみやすい言葉が多く、台詞のように感じられて感情移入しやすいかもしれません。
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