1980年の幻の来日公演チケットを徹夜で並んで購入したのがいい思い出… そんな同世代のみなさまと同じく、私も「ROCKSHOW」には深い思い入れがあります。 VHS版とレーザーディスク版⇒DVDを所有しており、30年近く観続けてきました。 演奏はもちろん、MCも含め、どの場面も暗記しているくらい?です(笑)。
今回のリニューアルで、旧バージョンではカットされていた7曲が追加され、 これでやっと完全版、というか、ようやく実際のライブと同じ曲順、曲数になったわけで、 ビートルズナンバーやウィングスのナンバーワンヒットで織り成すライブ構成の見事さには、 あらためて服感せずにはいられません。
ビートルズ解散から6年、アップル屋上のころよりさらに若返った観のある、 34歳になったかならないかというポール師の立ち振る舞いは、 ライブステージに立っていることへの喜びと自信に満ち溢れ、 余裕と貫禄を湛えていて、もうカッコイイったらありゃしないです。 そこへもってきて天然とも思える、茶目っ気たっぷりのMC、 ハードなロックからバラード、弾き語りまで、歌も演奏も見惚れてしまうパフォーマンス。 リンダやデニー、ジミー、ジョー、そしてホーンセクションのみなさんも、 ほんとイキイキとライブを楽しんでいるのがよ〜く伝わってきます。
サウンドシステムやライティング、視覚エフェクトも当時としては斬新で最先端、 すべてひっくるめて素晴らしいコンセプトのライブだったんだなぁ、とあらためて感心させられるのと同時に、 周到な準備とともに撮影を敢行、こうやって映像作品に仕上げたポール師の大英断、 というか閃き?にもあらためて先見性を感じますよね。
映像の鮮明さは、みなさまが絶賛されてるとおり。 35ミリフィルムからレストアされたという今回のバージョン、 ワイドスクリーン化され(当たり前ですね)、しかも明るく、細部までくっきりとなって、 過去のメディアに比べて10倍?くらいの情報量があるんじゃないかな。。 冒頭のビーナスアンドマースから、旧バージョンとは別格の映像。 ええっ?!こんなだったっけ?って感じです。 色とりどりのライトに照らされた明るい場面もベストな状態にコントラスト調整され、 アコースティックセットあたりの、暗めだったシーンもめいっぱい増感されて、 イエスタデイに涙するおねーさんも心のラブソングを口ずさむおじさんもすっきり観やすく、 いまさらながらに新たな発見もあったりで、オドロキと感動でいっぱいです。 これもひとえに最新のテクノロジーを駆使した映像レストア作業のタマモノですね。 (曲によってポールの髪の長さが微妙に違ってるのは気づいていましたが、 胸元のペンダントの数が1つだったり2つだったりするのは初めて気づきました(笑)。)
音に関して、なんですが… ピッチも正常だし、音質も間違いなくよくなっているんだけど…、 音量や定位が不安定、とのご指摘がありましたが、そう、なんと表現したら良いか、 ラウドネススイッチが勝手にオンオフされてるような感じ?で、 私もなんだかおかしいと感じました。設定とか機器の相性の問題かもしれませんね。
それと…これも5.1chサラウンド環境で聴いていないのでなんともいえませんが、 以前のバージョンだと、オーディエンスのザワメキとか手拍子とかがもっと聴こえていました。 ライブの臨場感をほどよくかもし出していたそれらがすこしおとなしめになり、 STEREO環境で聴いた限りでは、全体的にきれいに整った感じがします。
同じく…デニーとリンダのコーラスの音量もちょっと絞られています。 あの娘におせっかい、ブルーバード、心のラブソングなどでのコーラスが、 以前のバージョンに比べてちょっと薄くなりました。 夢の人、バンドオンザランでの、原曲にはないデニーレーンのハモリも控えめになり、 魅力的なコーラスワークを聴きなれていただけにちょっと違和感を感じました。 5.1chサラウンドで聴いたら聴こえてくるのかな…。 いまのところその環境がないのでなんともいえません…泣。
とはいっても、何度もみている「ROCKSHOW」が、 まるではじめてみるくらいに新鮮に感じられ、観るたびにおおいに盛り上がります。
ロック史に燦然と輝くライブ映像でありながら、 アナログメディアのまま、しかも不完全な?状態で置き去りにされていたこの作品を、 最新の技術による映像レストア&音声リマスターを施し、 いまこうして再びよみがえらせた意義はとても大きいと思います。 おそらく、ポール師自身にとっても…。
1990年以降のポール師のライブ映像はいくつもありますが、 この時期の弾けたパフォーマンスをこのクオリティで観られるのは、 ポールファンはもとより、ロックファンにとってすごくラッキーなことだとおもいます。 今度はこのBlu-rayを擦り切れるまで?観続けたいです。
どなたかがおっしゃられていますように、日本語字幕はとってもいいとおもいます。。 特典映像の、ライブ終了後のオーディエンスにインタビューしてる場面とか、ね。 ライブ中も歌の訳詞が出てきますし、MCもわかりやすいし。。。まあ、不要なら消せますし。
外装プラスティックケースはなくて、ブックレットになってるんですが、 こちらには、多数の著名人が集まったロンドン・ドミニオンシアターでの プレミア上映の様子が紹介されています。 これに関して詳しく紹介された記事は今までみたことがなかったので、 当時の盛り上がりがよくわかってよかったです。 プライベイトフィルムっぽい特典映像も楽しめます。
品物が届くまでが迅速かつとてもスムーズで、とても満足のゆくとりひきでした。
次々に瞬間瞬間映し出される観客たちの姿・・・。 客席に大量のカメラを入れる手法は斬新で、観ているうちにやがて感じるのだ、この作品でのポールのメッセージを、それは「みんなが主役だ、ありがとう」ってこと。
このDVD、ポールが音楽を作り、彼のその音楽を聴く、その行為の源泉を探る旅のドキュメンタリーでもあると思う。
このツアー(2005年)や前年のツアーで新たに演奏された曲も多い。 「Flaming Pie」、「Til There Was You」、「I'll Get You」、「I Will」、「I'll Follow The Sun」(短い曲なんで早く終わってしまうからと最後何度もリフレインする)、「For No One」、「Fixing A Hole」(渋いピアノ弾き語りで)、「Too Many People/She Came In Through The Bathroom Window」、「I've Got A Feeling」、「Helter Skelter」、「Please Please Me」(!)、他に『CHAOS AND 〜』収録曲。 大好きなバンド編成、欲を言えば、是非このライブの音源をCD化して欲しかった・・・。
「Fine Line」の演奏前に、2日前タンパでピアノがせり上がる前に落ちたアクシデントをユーモアを込めて語る(実際の映像もあり)、NASA宇宙ステーションとコンサート会場を生中継し演奏される「English Tea」(さりげなく英国人のプライドも感じる)、「Follow Me」の前のエピソード、あるアイ・ラブ・ポール一家がハプニングでポール自身と対面する場面が微笑ましい、ラスト「Please Please Me」で感極まり顔を手で被う女性(その母を見つめる娘)に、思わずもらい泣き。 最後のクレジットで、一本道を歩き、スキップしチャップリンのように踊るポールの姿が余韻を残す・・・。
もっともドキュメンタリー・タッチな傑作DVD、曲間のコメント(S.ジョブスも登場)が煩わしい場合は、スキップしよう・・・。(たまに観ると良いよ)
断然おすすめ!
購入した日に使う予定でしたけど、もったいなくて使えません・・・・ コレクターズアイテムって訳じゃないんだろうけど、傷むのがわかっていてこれを使う事はできないです。 お部屋のインテリアアイテムになっちゃいました。
ビートルズやジョン・レノンの別冊、ムック本は数あれどポールのは少なかった、それは本当に。 最後の来日が2002年なので10年日本に来ていないことになる、しかし今年はビートルズデビュー50周年で ポールも久々にアルバムが出るということでそのタイミングでの出版となったわけ。 結論を先に言うとこの本、買いだ、新たな切り口のデータ本としてあなたの本棚にもぜひ置いて欲しいと思う。
まずはビートルズ時代を割愛したポールソロ時代のさまざま大小のライブ、テレビでのギグの記録とそれらを見られる、聞けるソフトを紹介しているという点。(市販されていないモノはYOU TUBEでの映像探しのネタ本としても使える) この手の本はスタジオ作の紹介及び評論となるのが普通なのだが、この本にはそれらはライブのネタくらいにしか扱われていない。そして文章も評論はなくあくまで解説に終始している。
例えばポールとリンダがフェイシズのライブに飛び入り参加していたなんで知らなかったし、あの有名 なテレビ特番「ジェームス・ポール・マッカートニー」に関してはオンエアーの曲目ではなく客前での ミニライブで実際何をやったかを記述してある。MTVアンプラグも同様だ。ただ口パクの出演の場合はここではボーナス扱いで完全網羅ではない、よってわが国の人気番組「夜ヒット」における2度の出演は書かれていない。 ここ10年程のライブ活動についてはファンクラブ会誌やネットなどでしか詳細は知られていないのだがこうして本屋さんに今並んでいるのだから素直に喜ぶべきだろう。
本の前半はミュージックライフ誌の記事・インタビューの再録なので若手のファンは読むべし、オールドファンは飛ばして読んだとしてもこの本は価値あり、安いと思う。 相変わらず日本人アーティストの寄稿、そしてスポンサーがらみのオーディオのページがあって星マイナス1なのだが大人の事情として我慢したい。
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