非常に興味深い構成で、句会を再現しているような形になっている。参加者それぞれの句を角川が論評し、その的確さと「こうしたらどうか」という言葉の冴えに実力を感じる。本当に面白い本である。
かつてカドカワ映画ブームを起こした角川春樹は、その後麻薬事件を起こし、角川書店の社長を追放され2年5ヵ月の刑務所暮らしを体験しました。
普通の人物なら、出獄しても意気消沈してしまうでしょう。しかし、ハルキは違います。本書を書き上げ、「オレは負けちゃいない。まだまだやるぞ!」と宣言しています。
「わが闘争」というタイトルは、ヒットラーが獄中で書いた著書のタイトルと同じです。ミュンヘンで暴動を起こして失敗したヒットラーは、世界制覇の戦略と思想を自ら語る「我が闘争」を書き、出獄後、第二次大戦の敗戦まで爆走しました。
角川春樹の「わが闘争」の表紙には、鎧に身を固めた著者が高層ビルを望む歩道橋にドッカリ座っている写真が載っていて、「オレはまだ闘う」と叫んでいるようです。
内容も表紙に劣らず闘争的です。
かつて「出版革命」と称された経営術を自画自賛し、「おれは、自分以上の本当のカリスマに会ったことがない」と断言しています。
「オレの俳句は松尾芭蕉を超えた」「UFOを何回も見た」「ハワイで宇宙人と交信した」「おれは歩く神社である」というお言葉に至っては、読者として「はいはい、分りました」とうけたまわるしかありません。
著者の刺激的な生い立ち、行動をたどる本書を読んでいると、唯我独尊的な著者の姿勢に反発しながらも、途中でやめることのできない魅力があります。
父母の離婚、父との確執、母の死、弟との訣別などの角川家の葛藤。横溝正史ブールを起こし、活字と映像と音楽を組み合わせたカドカワ映画手法を成功させ、更に文庫本を読み捨てメディアに変えた著者の才能と成功。
本書で吠えまくっている角川春樹が、これからまた時代の寵児として盛り返すことができるかどうか、結果を拝見しましょう。
著者を好きじゃないのに、つい最後まで読まされてしまう、という珍しい本でした。
感想は面白く興味深い内容で語りたい放題なので読んだ後は自分も怖いもの知らずの気持ちにさせられた。
絵の具を流したような、戦闘シーンが美しいです。ストーりー性には乏しいので、評価は分かれると思います。
前に映画を観たのと同じで感動した特に主演の野村宏伸のサックスがとても良かった。
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