本作品は、以前から気になり、書籍を購入したのだが、 読めずに、先にDVDを見てしまった。 ロケット開発、特許での訴訟を巡る争い、 技術に賭ける思い、家族とは、企業買収など、 見どころは多い。 佃プライド、品質の辺りはとても良かった。 回を増すごとの盛り上がり、役者も良い。 映画枠より、5回というドラマでの放送サイズが 内容を描き切るのに適切な長さなのでしょう。 見た後、とても爽快な気分になれ、推薦です。
小説ではなく、ドラマだからこそ真に迫る迫力あり情感溢れる描写がこの作品にはある。
企業の在り方、組織人としてどうあるべきか、仲間とは、家族とは、深く考えさせられる作品。 組織の幹部が偽らなければならない理由、組織の品質保証に対する姿勢、不正を知ってしまった社員の葛藤、それを何となく気付きながら励ます妻、事故を起こした企業の息子・家族に対する嫌がらせ、それと戦う父親、それを支える社員、離れていく社員・・・
興奮して、思わず「やっちまえ!」と叫んでしまったシーンがあったほど、引き込まれてしまいました。 味のある俳優人で固められており、見ごたえたっぷりでした。
レンタルで見たものを買い求めることは滅多にしませんが、思わず買っちゃいました。
私は品質に関する仕事をしているが、同僚にも薦めたら皆から「とても面白かった」と非常に評判が高かった。 特に品質に関する仕事に就く社員には皆に見てもらいたいと思いました。
池井戸 潤さんの作品は、好きなのでこの作品もよかったです。 金融業界の内部、行内での言葉など、わかりやすくなっているので、読みやすいです。
池井戸氏の長編がいきなり文庫に登場しました。2005年から2年間、雑誌に連載された小説の文庫化です。池井戸氏が注目を浴びるようになったのは2009年の「空飛ぶタイヤ」が直木賞候補になってから。この作品はその少し前のものです。
銀行から中堅メーカーへ出向中の倉田太一、52歳が主人公です。彼は帰宅途中の駅で30代の男の割り込みを注意しますが、その日から倉田家へのいやがらせが始まります。一方、出向先の会社で倉田は在庫不足を発見してから営業部長の行動に不審の眼を向けるようになります。しかし、営業部長は倉田に対して猛然と反駁してきたため、かえって倉田は窮地に立つのです。
池井戸作品にはめずらしく、出世街道から外れた真面目さだけが取り柄の小心なサラリーマンが主人公です。争いごとの嫌いな主人公が公私でトラブルに遭遇し、降りかかる火の粉を払おうとして次第に強く、たくましく変わっていくところが見どころです。最後のせりふが印象的でした。「愚直で不器用だが、至極真っ当な人生を歩んできたとの自負だけはある。そのどこが悪い」彼は自分に言い聞かせるのです。
面白い題材なのですが、430ページのボリュームの割には胸に迫ってきません。「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」「ロスジェネの逆襲」と続く池井戸氏の重量級のエンターテインメントに比べると読み手の満足度は少々落ちるのではないでしょうか。その理由は、登場人物たちの魅力度が高くないこととストーリー展開がやや平板なことの2つだと思いました。雑誌発表後に単行本化されず6年経って文庫本として出たのはそのためではないでしょうか。池井戸氏の作品で私が高く評価するのは2007年の「花のバブル入行組」以降です。
巻末の村上貴史氏の解説が充実しています。
老舗ホテルへの融資を巡り大物二人と対決する平沢。一人は金融庁の黒田、もう一人は意外な人物。黒田は相当に狡猾なだけに平沢が勝てるか最後までハラハラ。一方では同期の近藤が出向先メーカーで財務絡みの事件に遭遇。平沢と近藤の二つの謎解きと対決が同時進行し、やがて二本の線が交差する。この構成の妙に乗せられてページを繰る手が止まらない。敵は何れも二人の頭の上で政治的に決着を着けようとするのに対して、平沢や近藤、サポーターの渡真利は地上戦で応戦。空中戦対地上戦。果たして彼等は勝利の美酒に酔えるのか? それとも… 前作バブル入行組に続き安定した面白さ。
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