一般にはあまり知られていないフルート、クラリネット、ピアノを中心とした室内楽。 フルートとクラリネットというのは、なかなか音が溶け合わないものですが、パユは只者ではありません。金属製のフルート(多分いつものブランネン)を使って木管フルートのような響きを創りだし、クラリネットの音色と見事に溶け合って室内楽の楽しさ、面白さを存分に教えてくれます。 曲目も、ショスタコーヴィチのワルツ2曲(楽しくてかわいい)、シュミットやエマニュエル(ちょっとラベル風のピアノ、パリのエスプリを感じることができる佳品)からジョリベ(アンサンブルが難しいんです)まで、フルートやパユのファンのみならず、幅広いクラシックファンの皆さんにお勧めしたい1枚です。
入手困難だった名画『フレンチ・コネクション』とその続編のサントラをありがたくもカップリングして1枚のCDにぎっしり収めてくれたという、もう涙がちょちょ切れそうなアルバム。 なんてったって音楽担当が変拍子ビッグバンドの鬼才ドン・エリス。 彼は当然のようにこの仕事でグラミー賞ジャズ部門ベストジャズアレンジ賞を獲得しています。 とにかく現代音楽もかくやと言わんばかりのアヴァンなサウンドながら、全体に漂うクールな雰囲気やヤバいリズム、むやみやたらとカッコいいメロディなどが相まって、その中身の濃さは相当なものに仕上がっており、もう単なるBGMの枠にはとどまっていません。 ドン本人も、4つバルブの付いた微分音トランペットを吹きまくっています。 とにもかくにも、70年代音楽が残した世界級の大傑作、聴かぬは損々ですよ!
60年代後半から70年代は刑事アクション、サスペンスが量産され、数々の名作が生まれてきた。その中のNo.1がこの「フレンチ・コネクション」といっても過言でない。この頃の刑事アクションはアメリカの病巣である麻薬、売春、暴力といったものに対する敵対心をあらわにする描き方をしており、この映画のなかでも、ジーン・ハックマンやロイ・シャイダーの麻薬犯罪に対する「執念」に現れている。 最近の刑事アクションは「ダイ・ハード」以降、悪役がテロリストになることが多く、明らかにアメリカのプロパガンダ的な色彩が濃くなっているのと同時に、「フレンチ・コネクション」の中で丁寧に描かれている「張り込み」、「尾行」などの刑事の地味な捜査が描かれず、派手な爆発、銃撃戦等を如何に多くもりこむかに終始し、かえって緊張感の欠如した映画になっていることが多いと思う。ところが、この「フレンチ・コネクション」は地味な「張り込み」や「尾行」をNYロケを通してきっちり描いており、観るもののテンションを高めてくれる。特に、フランス側のボス(フェルナンド・レイ)を地下鉄まで尾行するシーンは手に汗握る駆け引きが行われ、私の中では最もお気に入りのシーンでもある。徹底した取材や手持ちカメラでの撮影などがドラマにリアリズムを与え、単なるアクション映画の粋を超えた傑作にしている。このような「緊張感」あるアクション・ムービーはCGが当たり前の今日ではもう作られないのだろうか。 映像得点の監督とジーン・ハックマンによる音声解説はこの映画の裏側を知ることができ、かなり面白い。
60年代後半から70年代は刑事アクション、サスペンスが量産され、数々の名作が生まれてきた。その中のNo.1がこの「フレンチ・コネクション」といっても過言でない。この頃の刑事アクションはアメリカの病巣である麻薬、売春、暴力といったものに対する敵対心をあらわにする描き方をしており、この映画のなかでも、ジーン・ハックマンやロイ・シャイダーの麻薬犯罪に対する「執念」に現れている。 最近の刑事アクションは「ダイ・ハード」以降、悪役がテロリストになることが多く、明らかにアメリカのプロパガンダ的な色彩が濃くなっているのと同時に、「フレンチ・コネクション」の中で丁寧に描かれている「張り込み」、「尾行」などの刑事の地味な捜査が描かれず、派手な爆発、銃撃戦等を如何に多くもりこむかに終始し、かえって緊張感の欠如した映画になっていることが多いと思う。ところが、この「フレンチ・コネクション」は地味な「張り込み」や「尾行」をNYロケを通してきっちり描いており、観るもののテンションを高めてくれる。特に、フランス側のボス(フェルナンド・レイ)を地下鉄まで尾行するシーンは手に汗握る駆け引きが行われ、私の中では最もお気に入りのシーンでもある。徹底した取材や手持ちカメラでの撮影などがドラマにリアリズムを与え、単なるアクション映画の粋を超えた傑作にしている。このような「緊張感」あるアクション・ムービーはCGが当たり前の今日ではもう作られないのだろうか。 映像得点の監督とジーン・ハックマンによる音声解説はこの映画の裏側を知ることができ、かなり面白い。
パート2にしては、珍しく出来の良い映画。 刑事の基本は足という事が良くわかります。
|