OA が Blu-Ray に先立つアニメの場合、 デジタル放送と HDD レコーダー登場以降、 Blu-Ray の商品としての付加価値の付け方がすごく難しいと思っています。 他の多くのアニメだと、個人的には、Blu-Ray の意味は、付加価値というよりは、コアなファンのボランティアとしての意味合いが大きいと思っています。 私が本作品を購入したのも、そうした目的ももちろんありますが、 実際視聴してみると、 プレミアムとしての付加価値がかなり大きめの商品だなとつくづく思います。
OA も見ていない人向けには、 あんなと市河のエピソードが秀逸の2巻目だと申し上げておきましょう。
まずアニメ版パンストを既読している方は期待されているでしょうが、本作品は残念ですが変身(?)中の8頭身シーンはありません。 終始、2頭身のカートゥーン状態で話が進められます。
しかし残念だったのはその点くらいで、白黒の漫画になっても良い加減にアメコミカートゥーン風に色(トーン)が付いており、線もきれいで丁寧だし、文字が多いのですがそれが気にならないくらい見やすい、ハイクオリティな絵です。 話も、アニメ版に負けず劣らず下品で勢いがあってすばらしい。 ただこちらは、作者が巻末で語っているとおり、海外エンタメのオマージュなどはなく、とことん下品な話で圧していく感じなので、海外エンタメ系のネタを期待されている方はまだ買わないでおくのも手だと思います。
海外オマージュと8頭身変身シーンが無くなって下品さがプラスされたパンティ&ストッキングだと思えばいいと思います。 絵の雰囲気や勢いはすごく良いと思うので、パンストのコミカライズ本としては、◎です。
ありがちな説法マンガにかすめ取られそうなセリフも、この作者にかかれば良質のポップミュージックに変わってしまう・・とゆう好例。
特に"SON HAS DIED,FATHER CAN BE BORN"は、最後の言葉で胸が締めつけられる思いがしました。 子どもが見つめる深い瞳の先に何があるのか、少しだけ分かったような気がします。 あと、誰かが言ってたけれど、まんまキリンジ兄弟出演作品のような・・。 高樹が主人公で妹の結婚相手が泰行、みたいな。いや、ホントに。
BGMにはキリンジの"FOR BEAUTIFUL HUMAN LIFE"と、ムーンライダーズの"DON'T TRUST OVER 30"をお薦めします。
以前から内容の(良い)評判を聞いていたので、文庫化の機会に初購入。読むのも初めて。 表紙の女の子もかわいかったし。
読んでみての感想。 僕が強調したいのは、読後感もさることながら、読中の感想です。 すべてのコマで、登場人物の表情描写が絶妙なのだ。 表情と吹き出しのコマ、表情だけのコマ、表情を映さないコマ、 それらすべてが登場人物の感情を表し/表さず、またその表象と吹き出しとの関係が「今を生きた人間の断片」を浮き上がらせる。 それは、当年とって19の僕には、何より救いでした。 青春の澱、とは著者の談ですが、この酷く模糊とした表現が、本書にも、そして現在の僕の状況にも、ぴったりと嵌る感覚。 本書のどの主人公も、直向きでないにせよ前向きで、前向きでないにせよ直向きで、 そんな人間が、確かに生きていたという事実。(TAGRO的な意味も含め) 恐らくこれが肯定の物語となって、僕を救われたような心持ちにさせたのだろうと思います。 このページを見ている、このレビューを見ている方は、何かしら本書に引っ掛かるところがあって、そうしていることと思います。 特に、同世代の人。(これをどう取るかはお任せします) 本書は、間違いなくその引っ掛かりの一端を解消するでしょう。
装丁について。 文庫本なので、片手に収まります。 そしてこの密度。物凄く心地良いアイテム感です。 ただ一点、本体とカバーが擦れてキュッキュいいます。若干の生理的嫌悪を感じました。 僕はカバーを外して読みました。 結果、読みながらカバーの女の子も見れて、皮脂からも守れて、一石三鳥! でも次からは改善してくれると助かります。ここで言うことでもないけど。
そんなこんなで、宝物になるべき一冊です。
商品が届くのをかなり楽しみにしていました。本日届きました。
中身について言えば、ほんとうに素晴らしいですね。 通常のプラスチックケースの blu-ray に比べると、むしろ CD に近い省スペースのジャケットにもかかわらず、美しいブックレット。 あと、変ラボ女子会も、freemium の付加価値が十二分に出せています。女性声優さんたちの顔出しトーク。素晴らしいですね。 本編映像も OA とパッケージ版が両方入っていて、差分がチェックできるようになっている。 このコスパは、アニメオタク過ぎない完全に普通の人に対してもおすすめできる一品だと思います。
もともと、OA のときから、本作の映像の作りはすごくクオリティが高いと思っていました。 ぜひ、このクオリティのアニメと blu-ray のレベルからすると、十分にビジネスになっていることを祈らずにはいられません。 こうした作品がしっかりとビジネスに乗るように、これからも日本のアニメを心から応援していきたいです。 と、大きな話をしたくなるくらいの素晴らしい商品でした。
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