小児科門前の調剤薬局で薬剤師として働く「塩乃樹りか」の成長物語…と云うコトですが 1・2巻(完結)でそんなに劇的に成長しているわけではないです(笑) 小児科中心なので、個人的にはもっと事例を広げて連載を続けて欲しいと思っていた作品でもあります。
薬剤師のお仕事は日々失敗と勉強の繰り返しです(失敗ばかりではありませんが…失敗で学ぶ事は大きいので)。 同じ症状で同じお薬が出ても、別々の人に同じように効果があるわけではありません。 「正しい使い方」をお伝えしたつもりでも、患者さんに正確に伝わっていなかったり、残念なケースではお話すらさせて貰えない事もあります。
患者さんにとって調剤薬局は、体調の悪い時に処方せんを持って訪れなければならない、面倒臭い場所かも知れません。 調剤薬局の薬剤師は、お医者さんから指示されたお薬を揃えてお渡しする「だけ」と思われがちですけれど 処方せんを受領してから、処方内容の確認・照査をし、必要であれば医師に問い合わせをしたり。 アレルギー歴や他の病院で処方されているお薬の情報をお伺いさせて頂いたりしていますが、 それらもアレルギー発生防止・重複服用防止・相互作用防止等に活用させて頂いています。 そうして少しでも、患者さんのお役に立てればと思っています。
本書ではその舞台裏を少しだけ垣間見る事が出来るのではないでしょうか? 少女漫画系の絵柄で、少々画面処理が荒い絵柄の方なので、読み辛いかも知れませんが…薬剤師のオシゴトに興味のある方は読んでみて下さい。
貴方の身近な薬局で、貴方のお薬について、私達と「お話」させて下さいね。そんな願いをこめつつ★4で。
実際の袴田事件に対する知識は皆無です。この映画の存在で初めて そのような冤罪事件がこの世に実在していることを知りました。 元々新井さんとオギーのダブル主演目当てて視聴したのですが、思わぬ収穫です。
プロボクサー経験者であることで警察に嫌疑をかけられた袴田さんと その事件の主任裁判官である熊本さん、この二人にスポットが当てられて物語は進んでいきます。 両者の線が一瞬でも直接交差することは無いですが、袴田さんは自分は無実であるという共通意識をどちらも所有している。 この作品を二分するのであれば一部の主人公は容疑をかけられた新井さん、二部の主人公は無実の証明に奔走する熊本さん であると言えよう。
登場人物は事実に即した作品であることからか、自分の仕事に責任を感じる熊本さんから、どちらが犯罪者かわからない取り調べと言う名 の拷問を実行する警察官まで、いい人もいれば嫌な奴もいます。 その中でも特にオギー演ずる熊本さんは裁判への接し方に一家言もっており、劇中でも裁判へ携わる者へ心の在り方を説いている。 少々優等生的に美化脚色されてる嫌いはあるとしても、その姿勢はまさに 裁判官の鑑であると称賛できる。本当は誰にもこのような事を言わせてはならないのだが、どうも不心得者や畳水練になっている者がいるみたいで 遂に熊本さんの口から言わせてしまった。
出世や自己保身しか眼中になく職業はその道具に過ぎないと考える者自らの先入観に似たヤマ勘を頼りに墨守へと走り、カルト教団より暴力的で野蛮な取り調べを行う警察 両者とも義憤に値する。 特に後に国家権力を構え既成事実を作ってさえしまえば、その後の図式は権力対個人になる。 このことを計算にいれて自白を強要する警察が正義を語るなんてお笑い草にもならない。 正義を体面とはき違えているのではないでしょうか。 悪どい奴ももちろん大嫌いだがそいつのふんどし担ぎに徹しおこぼれや後釜を受けようと支え画策する奴はもっと嫌いである。
だが、真実を語ることは容易くともそれを証明することはべらぼうに難しいと黒沢映画「羅生門」で主張されていた。 この事件もだが、その他の実は冤罪である事件を無力な一般市民として見聞したらはたして自分は何を信じられるのか。 過ぎてしまった現実を前に本作品で感じたような強い確信を得ることはできないだろう。
痴漢冤罪を取り合った作品「それでも僕は・・・」よりも警察や裁判の裏側を映像的に知りやすかった。 本作品は裁判への心構え、冤罪防止対策の役割で裁判官の育成教材としてはもとより、裁判員裁判制度で裁判に直接かかわる可能性のある一般国民も 視聴して益はあっても損はない映画である。 第二、第三の袴田事件を起こさぬように自分たちは何ができるか。まずはとりあえず本作品の視聴から始めるべきであろう。
四つの死体と袴田さん、そしてまだ見ぬもうひとりの心に真実はありそれは無数の手によってせき止められている。 この事件が冤罪でもし仮に真犯人が娑婆の空気を胸いっぱいに吸い込んでいるとしたら やるせなさ極まりない。
少女漫画誌から青年誌へと雑誌を移っての1冊目のコミックス。 作品が掲載されたのが青年誌ということもあって、 作風なんかもある程度変わっちゃったかなーと思ったのですが、 中身は思いっきり、というか以前と変わらず少女漫画でした。 まあ、作風もちょっとは変わってるかも知れないけど、 タイトルから想像するほどではありません(笑)。 昔からのファンの人でも違和感なく読めると思います。
業界関係者は読んでいて面白いと思います。
ほんわかとした風味は作者さんの持ち味が生き生きと、従来の医療モノ……ってあるのか?からすると物足りないかもしれませんが、絵のタッチも含めて非常にやわらかい気持ちにさせてくれる一作だと思います。
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