残念ながら、後にも先にもこの作品を超えるレコードはありません。もし自分が音楽を作る人なら、これを聴いたらもう作る気にはならないでしょう。新作もいいですが、やはりこれでしょう。はっぴいえんどやブラジル音楽を手本にしながらも、完全に独自の世界。超越してます。
「大人は判ってくれない」での哀しげな表情のドワネル。 「二十歳の恋」では好きな女の子の向かいのお部屋に 引越ししてくるけな気なドワネル。 「夜霧の恋人たち」のとほほな探偵姿のドワネル。 「家庭」では初めてパパになるドワネル。 「逃げ去る恋」では今までの恋が浮かんでは消える、 そんな中で新たな恋を見つけるドワネル。 こんな風にこのDVD-BOXでアントワーヌ・ドワネルの 人生を垣間見れてしまうなんて、何て素敵なの☆
NHKのBSハイビジョンで放送されたドキュメンタリー番組を見て、大変興味深かったので、こちらも読んでみました。 番組は90分でしたが、本書を読むと、いかに時間や労力をかけて取材・調査したかが分かります。 ドイツの当時の戸籍や文化・生活習慣、日本の軍部の実情、当時の国際法、そして漢詩や古文の解釈… 今野勉さんの本職はTVディレクターだそうですが、「この人、本当は学者さんかな?」と思ってしまうほど、素晴らしいです。
さて、『舞姫』は多くの方が知っているように、ドイツに留学した日本人官僚が、現地の女性と恋に落ち、女性を裏切って帰国するという話です。 実際の鴎外とその恋人は、結婚を約束し、周囲の反対を押し切ってでも添い遂げる覚悟があったのです。 しかし、それはできず、来日した女性を国に帰してしまい、鴎外にとっては大きな挫折となった…
『舞姫』を初めて読んだ時、私は「何というひどい話だろう」と思ったのですが、この本を読んで、文豪の胸の痛みがしみじみと伝わってきました。 別れがつらくてつらくて、つらさから逃れたくて、『舞姫』を書いたのだと… そして、どんなに一流のひとでも、挫折はやってくるのだと思いました。
小説からは知ることのできない、文豪の本当の姿がわかります。
ダンスミュージックとまではいかないほどよいポップミュージックが素敵です。1960年代を思い出させてくれる懐かしいサウンド。バックのミュージシャンたちが演奏に専念しているから音楽性も申し分ないと思います。よく練りこまれている感じ。フロントの3人娘がそれぞれ個性的。姉御肌のグエノ、眼鏡のライオットベッキ、黒髪のローゼイ。3人を見ていて飽きない。みんなかわいいし。よく晴れた休日の昼間、出かける前に聞いたりすると気分が上がっていい日になりそうなんて気分にしてくれます。
社長×社員というと、攻の社長が一目ぼれでぐいぐい迫るっていう設定が多いのですが、これは一味違います。ゲイだけど、遊びで肉体関係になりたくないばかりに25歳まで童貞だった瑞貴は、入社試験の面接で社長の日下部にひとめぼれ!だからといって何か行動に移すわけではなく、ただ憧れているだけだったのに、先輩の高山に童貞であることをからかわれているのを聞かれてしまい大ショック。その時に瑞貴が落としたメガネを日下部が踏んで壊してしまったことから、二人の関係がスタートします。メガネを弁償しようと一緒に食事に行き、初めは日下部にはまったくその気がなく、天然で粗忽な瑞貴の行動に興味があっただけなんですが、酔っぱらって寝てしまった瑞貴の乳首にそそられてしまい・・・
何といっても瑞貴のテンポのいいセリフがいいし、天然でかわいい! 「清らかなまま死んで天使になる」とか「めくるめく官能の夜を経験してみたい」とか、 好きな料理を聞かれれば「ウインナです!」と答えるし、高山を「水虫だっていいふらす」と言っておどしたり・・さらには妄想をめぐらして「自分が二股をかけることになったらどうしてくれるんだ」と悩んだり、社長の日下部に缶詰のビーフシチューを食べさせるし・・
それに振り回される日下部も、ひょうひょうとしていて面白い。ホントに笑えます! 瑞貴の妄想につきあってやれるのは日下部だからこそでしょう! ニヤニヤしながら、読み返しちゃいました。
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