この本では、給与収入で600万円以上の人と、600円未満の人の不動産投資の戦略を伝えてある。
『「片手間」投資でプロ化を目指す道のり』がフローチャートで書いてあり戦略が一目瞭然。
自己資金がなくても不動産投資は可能だが、リスクが高まるので万人にオススメはしない。
給与収入が多い人は最初、パッケージ型のアパートローンを使い、少ない人は現金で買える物件の取得を勧めてある。
給与収入が少なくとも、最初から日本政策金融公庫から始める人もいるので、まず公庫にあたってから、ダメなら現金買いという方法もあると考える。
給与収入の多寡にかかわらず、最終的に目指すのはプロパー(事業性)ローンである。
プロパーローンを受けるまでになれば、給与収入というよりは、事業者としての属性(格付け)によって決まる。
つまり、貸借対照表(とくに純資産の部の厚さ)や損益計算書(原則として黒字)が求められる。
次に金融機関の積算評価額である。
本に書いてある方法で計算する方法もあるが、「不動産投資プレミアム 積算」で検索してヒットするサイトでおおまかな積算評価が出せる。
個人的には積算評価に70%を掛けた担保評価以下で、高利回りが良いと考える。
著者が重視しているのは、「価格がこなれてきた中古の物件をいかに安く購入するか」で、建売の新築は除外されている。
片手間投資の趣旨を考えれば、妥当な戦略だ。
任意売却物件についても言及してあり、いかに任意売却物件情報を集めやすくするかについても書いてある。
投資仲間から任意売却専門業者を訊いても良いが、著者のような方法で探す方法もあるだろう。
「都会か地方かの違いによる投資テクニック」も基本的にこの通りであるが、地方の中小都市では著者の示す利回りよりも3〜5ポイント上乗せしたようが良いと個人的には思う。
返済比率についても妥当であるが、「不動産投資 返済比率」で検索してヒットするブログやサイトもチェックしておくと良いかと思う。
最初はミドルリスクミドルリターン、次に狙うのはミドルリスクハイリターンの物件という点は、個人的にも意図したわけではないがそうなっているので推奨する。
「知らない土地で優れた管理会社を探す」方法は盲点で有り、為になった。
「管理会社といい関係を築く7つのノウハウ」もこの通りだ。
管理で失敗している不動産投資家には身に覚えのある項目があるのではないだろうか?
つまり大家の質もリーシングに影響を与えるファクターなのだ。
「課税所得が高い人ほど実質的な利子は低くなる」も、なるほどである。
名目の金利の高低ではなくこういう着眼点も必要だ。
最終章は「法人化してさらなる拡大路線を目指せ!」。
私自身は最初から株式会社で始めたが、合同会社で始める方法は確かに設立費用が安く、手間が少なくて済む。
法人の活用についてだが、最近は資産保有法人でないと、自主管理でもしていない限り管理料が否認される例が増えているので、私は物件の取得は法人で行なうことにしている。
法人は、配偶者に不動産投資を知られたくない場合や、公務員の方で副業規定に抵触する場合でも有効活用できる。
収益物件ごとに法人を設立する方法については、融資の問題もあるが、隠れ債務の有無の証明や契約を締結する場合に弁護士によるリーガルチェックが必要となると思われるのでオススメできない。
この本では不動産投資家自身しか決定できない攻め(物件取得)について徹底的に書いてある。
物件取得以外の守りについては「片手間」にフォーカスして紹介してあるが、別の不動産投資本で補強すれば良いだろう。
物件取得に関してはこの1冊でも充分と言える内容で、初心者から中級者までにオススメする。
サイコ大家さんのメルマガ「精神科医のアパマン経営」は内容も簡潔で読みやすいので、この本を読むと共に併せてチェックしたい。
不動産経営について貴重な本です。
申告方法など経営をはじめて行う方は必須の本でした。
私は、新宿区に所謂「節税」を勉強しようとしてワンルームマンションを
約15年前に購入した人間です。
この本には素人がアパマン経営をする上で慎重に検討しなければいけない
点がまとまっておりお勧めです。
著者の立場から言って「アパートは即刻売却して現金化すべき」という結論は
ポジショントークと考える必要があるかもしれないが、少なくとも都心ではない
郊外地域に賃貸アパートを購入するのは相当の覚悟と、他人任せではない
管理運営が必要であることを痛感させてくれた。
自分の投資スタンスを「現金決済」のスタンスにしようか
迷ってしまうほど魅惑的(笑)な文章!
いつもブログを読んでいたので、気になって購入。
電車の中で夢中で読んでしまいました。
独特のCASHFLOW101氏の世界観というか、雰囲気が出ていて楽しめます。
しかし、築古のボロ物件の抱えるリスク、特に所有者としての
損害賠償責任についての著者の考え方が抜けている点が気になります。
たとえば、地震による倒壊。
失う金銭はボロ物件だから割り切れると言う物ではないはずで、
入居者が死亡した場合に大家が問われる法的責任についてのコメントが読みたかったです。
フルローン物件と、現金高利回り物件のハイブリッド投資法。
但し、著者は給与所得で4000万円の自己資金を持っていたことには留意する必要がある。
フルローン物件はたくさんあるが、買っても良い現金高利回り物件を買っても良い地域が限定されているので少ない。
著者のように自己資金をたくさん持っていれば、フルローン物件に大きな修繕が突発的に必要になっても問題ない。
しかし、数百万円〜1千万円台の貯金しかない場合、変事対応資金としてキャッシュは温存しておきたい。
なので、たとえ高利回り物件が有っても購入できないジレンマが生じる(50万円とか150万円の物件は例外として)。
高利回り物件とはいかなくても、一棟もの物件のキャッシュフローで余裕資金ができれば、戸建て物件を少しずつ買い足して一棟ものの返済原資の助けにはなるだろう。
今田式+加藤式+浦田式+リフォームという感じの本であり、それぞれの著者の本を読んでいる人には特に読む必要は感じなかった。
読んだことがなければ、この本をサッと読み、上記の著者の本をそれぞれ読んで深堀りすれば良いと考える。
500冊の不動産投資関連本を読破した点はすごいと思うので★3つ。
|