だそうなので、私のように旧「GAMESIDE」を購入していなかった層に向いている本と言えるでしょう。グラディウス、ダライアスあたりに思い入れのある人には、特に嬉しい内容になっています。書いている人たちがみんな、みんな「熱い」です!
自然的にレトロゲームばかりがメインになってしまっていますが、これはしょうがないでしょうね。XBOX360などでちょぼちょぼ新作が出る、それがシューティングゲームの現状である訳ですから。完売の上入手困難な旧「GAMESIDE」バックナンバー代わりとして、重宝する本かと。
当時、このアルバムを含む一連の細野晴臣さんプロデュースの作品たちは、衝撃をもって僕らアーケードゲーマーに受け止められたのを今でも覚えています。ナムコの曲はイイ、気のせいじゃない、ゲームの音楽だって、いいものはいいんだ!と、自信を持って言えるようになったのは、とにかくこれらアルバムが発売されてくれたからだと今でも思っています。 そしてこのスーバーゼビウス。これはビデオゲームに独自の世界観というかSF感を盛り込んだエポックメイキング的作品に、さらに奥深く突っ込んでいくためのマストアイテムでした。ガストノッチ。この言葉は僕ら世代を共有したゲーマーたちの一種符号というか合言葉みたいなものですね(笑)。今の若い人も、これを聴いてガストノッチな気分になれる?興味津々です。
ゼビウスの開発を担当した遠藤雅伸さんが妄想コントローラーを
プレイしている動画がありました。
http://bit.ly/aXdbT0
なるほど〜、妄想コントローラーってこんなやつなんすね〜。
上のレビューには「パックランド」が入っているかのように書かれていますが、残念ながら収録されていません。 それを抜きにしても、あのナムコ音源によるナムコサウンドは、いつ聞いてもワクワクできるフシギな魅力にあふれています。
細野晴臣プロデュースによるアルバム「ビデオ・ゲーム・ミュージック」、12インチシングル「スーパーゼビウス」の2枚に比べると、このアルバムは比較的マイナーで、それゆえにリイシューの機会をことごとく逃してきたというか、黙殺されてきたわけですが、GMOレーベルのリイシュー大会にあわせてその源流となるべき3枚のうちに数えられ復刻されたことは実に喜ばしいことでした。
マイナーなのは「細野晴臣」「YENレーベル」といった冠がないことと、収録されているタイトルが「ドルアーガの塔」を除くと若干マイナーであることが主な原因だと思いますが、それはこのアルバムの内容の素晴らしさを考えると不当極まりない評価だと言えます。
なぜならば、このアルバムはある種のエキゾチシズムの対象としてゲームミュージックを捉えた「V.G.G.」、細野氏の芸風の中に素材として取り込んだ「スーパーゼビウス」と違い「電子音楽としてゲームの音源の音で何ができるのか」というポジティブな未来志向に裏打ちされており、それは取りも直さず、このアルバムから20余年を経た現在にまで至るゲームミュージックの有り様そのものを明快に提示したものであるからです。
B面に収録された楽曲群は、1曲を除きゲームミュージックのアレンジではありません。当時のナムコのサウンドスタッフ(大野木宣之氏、小沢純子氏)と、上野耕路氏、藤井丈司氏、国本佳宏氏、飯尾芳史氏の手によるコラボレーション曲集です。後に「META MAGIC GAME」が「ケルナグール」に、「MERRY GOES AROUND」が「ホッピングマッピー」に使用されますが、聴き比べてみると音符こそ同じものの全く方向性が違うことがわかります。
ナムコの使用していたC30チップの品のいい響きがシンセサイザーの音と織りなすハーモニー。
搭載音源の音色から離れて奏でられるタイトなアンサンブル。
制約と解放が渾然一体となった音楽の姿がここにはあります。それはゲームを離れて「ゲームミュージック」がどこへ行くのかを探す旅路のようでもあります。
ゲームの音源はこのあとFM音源の時代を迎え、PCM音源へと移り、音質そのものはいわゆる普通の電子楽器と何ら変わらないものになっていきますが、その途上では電子音楽であることへのコンプレックスとさえ思えるような迷走を見せた時期もありました。現在では、過去「制約」とされることの多かった音源チップの音も選択の範疇に入り、音楽表現としてますます広がりをみせています。
そんな自由さが作る現在の音楽と、驚くほどにこのアルバムのB面は似た雰囲気を持っています。それはさながらオーパーツのように今では思えるかも知れません。
僕は本当に夢に見るほどこのアルバムのCD化を望んでいたので、復刻なったときは快哉を叫んだものです。
結局発売から10年を経過した今ではプレミア盤の中に名を連ねることになってしまったわけですが、繰り返し多くの人に聴かれるに値する名盤なので、適価で手に入れられるようになってほしいと切に願って止みません。
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