最初の舞台はフィジー。教師として働く真人はフランス貴族のアルフォンスと出会います。心が深い闇に閉ざされていたアルフォンスは真人の純粋な心に惹かれ、すべてを手に入れたいと告白をしますが、二人は友人にとどまります。しかし真人が事故で記憶を失った時、アルフォンスは罪と知りつつ「恋人である」とウソをつき・・・。 ありがちな記憶喪失ですが、そのウソが読者とアルフォンスしか知らないのでドキドキしてしまいます。アルフォンスの優しさと愛情が狂気を帯びてくるのもハラハラしますし、Hシーンもたっぷり楽しめます。 ラストがあっけなかったので星4つかな?と思いましたが、書き下ろし番外編も含め、星5つです。こんなに愛されたら本望でしょうね。
彼女の歌は、ジャズというよりブルースの香りが強いです。そして、デビューしたときから変わらない、大地のような強さと安定感があります。前の2作よりはバックのサウンドがカラフルな感じになりましたが、それでもかなり控えめで、ナチュラルで、彼女の声を存分に聞かせてくれます。
輸入盤もすぐに入手可能になるようですが、日本版の方にはボーナストラックがついています。前作はDiana Krallの「Narrow Daylight」でしたが、今回はThe Bandの「It Makes No difference」。毎回、魅力的な選曲で、つい日本版の方を買ってしまいます。
title曲『羽根』は、ピアノ中心の単純な伴奏に声を重ねることに始まり、徐々に音を増やして行くという手法を取っています。安藤希の透き通る声はピアノの音に良く映えますので、この方向は正しいと思います。強いて苦言をということであれば、(特にサビの)アピールが物足りないということでしょうか?C/W曲『花』は、バイオリン中心の伴奏に声を重ねています。title曲と違う形を付けることで変化を持たせることは技巧の良さを感じます。途中からギターの音がアクセントが付いており、音の厚みはtitle曲を上回っています。この歌が彼女のBestソングだと思います。もうひとつのC/W曲『空』は、ピアノ中心の伴奏の曲となっております。title曲と近いですが、いきなりの歌い出さずきちんとピアノソロの前奏があったのと、最初から最後までピアノの伴奏を中心としていることが異なり、かなり落ち着いた曲になっています。この曲も良いと思います。この3曲を聴いて、Gacktの技法に近いなと思いました。そう言えば両方ともレーベルは日本クラウンでしたので、影響を受けたのかもしれません。
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