この映画に登場する、ビル・ヒコック、カラミティ・ジェーン、バッファロー・ビルの3人は実際には面識はなく、恐らくはすれ違ったこともなかったと言われている。この映画ではこうした3人やカスター将軍までを一同に介して描いているわけで、大げさに言えば、西部劇版「リーグ・オブ・レジェンド」と言えなくはない。
とりわけ、この映画以降、B.ヒコックとK.ジェーンは恋人扱いされ、西部劇での良き題材となったというから、この映画の二人が残した影響は決して小さいわけではない。この映画ではこれらの人々を絶妙に絡ませるとともに、その性格や役割を巧みに使い分けていて娯楽西部劇として一級品と出来に仕上げている。ゲーリー・クーパーとジーン・アーサーという当時の二大スターが出演しているのがやはりいいし、若きアンソニー・クインがインディアン役で出てくるのも興味深いところ。ところで、この映画でクーパーがかなりの早撃ちをするシーンがあるのだが、実はこのシーンが数ある西部劇の中でも1,2を争う早撃ちシーンとされている。その速さは0.6秒。後年アラン・ラッドも早撃ちを得意としたが、この映画でのクーパーの‘記録’は破られていない。
蛇足だが、この映画の初公開時の宣伝文句が‘雄渾(ゆうこん)極まりき、西部開拓大絵巻’だった。西部劇と絵巻物を結び付けるアンバランスさが戦前らしい発想で何とも面白い。
★硬派な社会派ドラマ『フィスト』と自伝的青春ドラマ『パラダイス・アレイ』の2作が不発に終わり、『ロッキー』の10分の1以下の興収したあげられない結果に泣き、起死回生を賭けたシルベスター・スタローンが自ら監督を担当。背水の陣の構えで撮影に望み、第一作以上の大ヒットを記録し、監督としても俳優としてもS・スタローンの評価を高めた。不屈の闘志から世界中から絶賛されエイドリアン(タリア・シャイア)と幸福な結婚をしながらも、人員整理で職を失うロッキー(S・スタローン)。一方世界タイトルを防衛しながらもぶざまな戦いに終始したアポロ(カール・ウェザース)は再びロッキーとの対決を申し込む。身ごもったエイドリアンに反対されながらも再戦を受け入れたロッキーはたった一人でトレーニングを開始した。心配のあまりエイドリアンが早産しそうになるなどの危機を乗り越え、ついにロッキーは再び世界タイトル戦のリングに立つ。という、展開は如何にも古き良きアメリカ映画の伝統的パターンを継承した作り方で、まさしく典型的だが、筆者はむしろその単純明瞭な部分に親しみを持った★。
いいわ〜!ジャズトロンボーン♪♪
甘いトロンボーンの音色がとても良です。
名作のロッキーの続編である2から監督脚本をスタローンが担当するまさに彼のライフワークとなるロッキーシリーズだが、前作が名作1作目の後日談的な役割で地味な作品だったが、本作では次作の4で最高潮に達するロッキーが新たに登場するライバルを迎え撃つというバトルものの要素が開花した記念すべき作品と言える。ロッキー初の敗北、トレーナーの死、宿敵アポロとの友情とベタながら男泣きポイントをこれでもかと詰め込んだスタローンの脚本は見事である。スタローンって映画は成功の一手段と割り切っていたシュワとは違って根っからの映画人なんだなと思わせる。ラストの幕切れも爽やかで印象的だ。シリーズとしては1作目と並んでお勧めの1本。
大学に入ると数学では与えられた微分方程式を解くことから始まる。ところが解析的に解ける微分方程式は極めて少ない。 さらにもっと重要なことは、卒業して就職すると与えられた微分方程式を解くだけではなく、微分方程式を立てるところから始まる。そしてそれは解析的に解けるとは限らないが、何とかその数値解だけでも計算する必要がある。 とは言っても、基礎的なことは重要であり十分に習得する必要がある。その意味で本書は、章立ては微分方程式のタイプで分け習得しやすく、70に余る図表を駆使し、30分野のテーマに亘るため興味を持続させながら、分かりやすく読みやすくレイアウトされている。もちろん微分方程式の作成とその解析的解法を対にして進められている。 解析的に解けない微分方程式も含めて数値的に解く方法に関しては 河野 光雄 (著), 佐野 健一 (著) 社会現象の計算機実験―MathematicaとExcelを使って(中央大学出版部)と木村 欽一 (著) エクセルで解く線形・非線形方程式の数値計算(丸善)を薦めたい。 本書の上級編として極上の書、佐藤總夫(著)、自然の数理と社会の数理のI,II (日本評論社)を薦めたい。ところで何故か極上の推薦書の§1「贋作事件の発端と経過」で取上げられた“エマオのキリストと弟子たち”の絵は本書の§4.3「美術品の贋作」にも取上げられている。偶然にしてはでき過ぎだが。 ミスプリ p.97 狭義の凹関数→狭義の凸関数 p.218 現書→原書
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