作品も後半に入り、過密スケジュールの中で仕上げられていたせいか、最初の絵がきれいだった分、デッサンの荒さが目立つようになりました。(プロデューサーや制作進行の方までもセルに色塗りしていた事実に驚き。大変だったんですね)ブックレットにも書いてありましたが、全体通して観賞すると、この作品はヒロインのロゼの成長物語だったなぁと、改めて思いました。顔つきが優しくなったし。話は変わって先日ボックス1・2同時に配送された時、開けてビックリ。「箱がデカイ…」収納には旧ボックスの二倍スペースが必要です。さらに購入特典のフィギュアは、人物が5体並んだジオラマになり、これも置き場所と郵便定額小為替3000円分が必要です。購入にあたっては、私のように部屋の狭い場合は、場所を整理してからの方がいいと思います。(ビバップケーキの置き場所も相当悩んだ)
“その日皇子と各務は、不動宮で二人だけの夢を見た。
はじめての夢を見た。
二人だけの夢を見た。
二つの夢が一つになって燃える喜びを知った。
激しく荒れ狂いながら夢を見た。
千年の夢を万年の愛に変えていた。” (本文より)
累計1,000万部以上を売り上げた藤川桂介氏の代表作であり、
劇場やOVAでアニメ化もされ、音楽CD,カセットブック,画集などのファンアイテムも出した
全48巻,外伝4巻からなる、星暦672〜823年までの152年間の出来事を描いた異次元童話の47巻目。
『燃える夢想花/天空から、宝玉降る/密使、北へ向かう/津軽国、揺れる/怒りの霊殺/誇りを菩薩界に/
火龍、襲う/怨みの谷にて/キジムナー騒乱/さらば流民王国/千年の夢、万年の愛』の11章から構成されている。
星暦819年。最終巻の一歩手前という事で、この巻では長年に渡って作り上げてきた流民王国の、
仕上げと完成の姿が描かれている。
津軽国との和解、妖霊の鎮圧、天空からバラバラと降ってきた山のような宝石と、それを道に敷き詰める俗悪な作業。
鶴や孔雀など数々の鳥を放した庭園の造営。琉球から引っ越してきた数多くのキジムナー達。
流民王国の完成と夢想楽土という新たな国名の宣言。落慶式を祝うように降り注ぐ黄金と白銀の礫。
優婆塞・優婆夷を辞め、かつての規律から解放され、地の塩たるひとりの民として男女の交わりを始める鬼たち。
そして初めて互いと結ばれ、147歳にして童貞と処女を卒業した皇子と各務。
だが、そのような慶事に翳を差すように、天上界からの使者・思兼神が警告する。
皇子と各務、その両者は地上界に留まってはならぬ。もしそれを肯じぬならは、強硬手段も辞さぬと。
それは異次元童話の終結、最大の悲劇の始まりであった──
第3期 『妖夢篇』 までは最初にノベルス版を出し、何年かおいて文庫版を出すという手法をとっていた本作だが、
内容のマンネリ化と人気低迷のためか第4期 『煉獄篇』 の新書は文庫化されず、本作以下 第5期 『黎明篇』は
全て新書ではなく文庫で出されている。(しかも全10巻の予定だったものが全8巻に削られる始末)。
この巻は回想と称して過去巻からの引用が何箇所も長々と入り、それによって枚数を稼いでいる印象もあるが、
初期からのファンにとっては完成した流民王国の姿を見られるという事で、感慨もひとしおではなかろうか。
それにしても、皇子と各務が長年夢見てきた国というのは、宮殿を宝石で飾り立て、このような浮世離れした、
善人だけしかいないような御都合主義のカルト共同体であったというのは残念である。
まるで中国共産党が文化大革命時に各地に作って大失敗したコミューンそのものだ。
30周年記念だけあって、スタッフの気合が感じられる商品ですね!放送時に使用されたフィルムが封入されるようですが、はキャラクター中心に選別されているようだし。 何よりブルーレイで綺麗な画像で3人の雌猫の活躍を21世紀に楽しめるなんて幸せです!
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