本の中身もDVDも非常に分かりやすく,ためになりました。スコアーアップに貢献してくれそうです。
本書は日本近代史や軍事史に詳しい1930〜48年生まれの5人(元文藝春秋編集長、元防衛研修所教官(元大蔵官僚)、軍事史学会副会長(元自衛官)、元内閣官房参与、海軍研究家)が、2009年に行った2日間の座談会の内容を、2011年に出版したものである。本書によれば、第一に日清戦争は首脳部にとって大義名分の乏しい戦争であったが、論客の膨張主義と軍部の独走(征韓論期の作戦計画も参照)で開戦に至った。第二に、日清戦争では清軍の前近代性のために、日露戦争では敵将の采配ミス(撤退作戦等)のために日本が勝利したが、日本軍の作戦行動自体には甘さが目立った。ただし秋山の騎兵や黒木軍などが善戦している。第三に、徴兵逃れが多かった日清戦争では、国民への宣伝のために美談の主人公は一兵卒だったが(また大臣クラスが前線に立っている)、日露戦争ではそれが上級士官になる。第四に、日清戦争も日露戦争も宣戦布告前に戦闘が始まっている。第五に、日本軍の現地徴発主義や補給軽視は、日清戦争時から始まっている。第六に、海軍による旅順奇襲・閉塞作戦失敗のつけを負わされた乃木は、必ずしも愚将とは断言できないが、忠君の美学に基づく乃木神話は後代に悪影響を及ぼした。第七に、日本海軍の航路護衛主義は問題が多い。第八に、黄海海戦で丁字戦法の弱点が判明したことが、日本海海戦の併航戦につながった。第九に、日本軍は弾丸不足を奇襲・夜襲で補ったが、これは危険な策である。第十に、伊集院信管は敏感すぎて砲身内自爆を頻発させた。第十一に、敵の射程内での東郷ターンは誤算の結果だった。第十二に、日本海海戦時の連繋機雷奇襲戦法が「浪高し」の故に中止されたことが、極秘戦史から判明する。第十三に、日露戦争の完勝イメージゆえに戦訓が見失われ、高級軍人の華族化も真実の隠蔽や精神主義につながった。
やり込み要素は一通り攻略できるので、これで満足です(シンプルな作りだけど) 攻略に詰まったら買ってもいいと思います。
インターネット等で攻略できるのですが、やはり本だと楽ですね(^^)
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