久しぶりにこの本を読み返してみました。
「探偵はバーに居る」を図書館で何気なく借りて読んで、正直「面白い!」と思ってから東さんのファンです。
「俺」は決してヒーローではないし、ヒーローになりたいとも思っていないところがいい。
面倒くさいと思いながら、依頼人のために「仕事?」をするところ。正義は信じていないけど、「悪」もしくは「クズ」を許せない心情は頼もしい。
この話も、電話美人?からの依頼で動いてしまうところがなんともいい!
脇役の高田や、松尾、相田との会話もいい!
ただ、道場の連中がどうなったのか結末が曖昧な点、ハッピーエンドでなかった点が残念。
でも、こういう話はハッピーエンドは似合わないでしょうからね。
そして、このシリーズを読み返してみて、あの「女性」登場していたところに、改めてビックリした。
著者は最初から、伏線として登場させたのか?それとも「俺」が「ダラシナク」なるほどの女性であったから続編で登場させたのかわかりませんけど、「俺」の人生を変えたほどの女性だったことは確か!
「消えた少年」に期待です。
東直己によるハードボイルド探偵シリーズを原作にしたハードボイルドバディムービー。ほぼ全編を白銀の札幌ススキノを舞台に、ご当地タレントの大泉洋と松田龍平が駆け回る。
正体不明の女からの依頼という話の発端からして、この映画が既存のハードボイルド映画チックな雰囲気を忠実に踏襲しようと努めていることがよくわかるが、その多くが表層的で軽薄なモノマネにしか見えない。ワザとらしいジャズが流れる「ムーディー」なシーンが多いのだが、作り手が「どう?このシーンかっこいいっしょ?」と思わせたがっているシーンほど、やたらダサく感じたのは私だけか?会話も、海外のクライムサスペンスのようにオシャレな脇道の逸れ方をしたそうなのだけれど、なんか空回りしている。冒頭の、人の二面性をオセロで例えるべったべたな伏線も、ちょっと背中がかゆくなってくる。
だいたい、なんであいつは事務所があるのにBARで依頼を待ってるんだ?マスターに迷惑じゃないか?とか、これは原作未読の人間だからこそわく疑問なのかもしれないが、そうした細かい設定の部分でも納得のいく説明がないから、単なるカッコつけに見えてしまう。主人公が蚊帳の外のクライマックスも、原作を読んでいないのでなんともいえないが、少なくとも映画としてどうなのよと思う。このようにいろいろ言いたいことはあるのだけれど、観光映画としてはよいのでは?
原小雪出演作品を全部観た訳でもないので断言できない。できないが、最高傑作、もしくは代表作と断言したい内容である。主人公が義姉(兄嫁)に抱く淡い恋心を発散しつつも叶えられない切なさが上手に描かれている。AVとしては実にハイレベル。配役もキマっている。さすがに受験生には見えないが、朴訥とした佇まいの主人公が物語に合っている。夫(兄)の不在時に想いを告げ、これに空閨の義姉が応えて愛欲に溺れていくシーンも素晴らしく淫猥。勉強中の部屋で戯れた後、食事もほどほどにダイニングで交わる淫蕩さに興奮が高まる。さらには、ここからシリアスにシフトし、事態を知って逆上した夫に責め立てられる後半にも、夫婦ながら凌辱の色を添える上手さがあった。主人公から見た場合の、前半の寝取りと後半の寝取られという対比も見事。少年の理想と夫婦の現実とがぶつかる結末の演出もなかなかのものだった。
若干喘ぎがオーバーで艶技過剰にも思えたが、相変わらずスーパーでナイスなボディの原さんが、母性的な筆おろしと被虐的な官能美を振り撒いている。ダイニングのイスに座った主人公に跨って腰を前後させる貪婪な「女」と、ベッドで夫から責め込まれて悶絶を繰り返す耽美な「女」、この2つの「女」が作品世界を哀しく彩っている。
原作にオリジナル要素をプラスした実写版だが、そのオリジナル要素が魅力を削いでしまい、粗い血のCGで違う意味で「うわぁ…」と思ってしまった。
ただ全てが駄目という訳ではなく、他の方々が言うように前半の雰囲気やスタイリッシュな描写など確かに評価すべき点が存在する。が、上記のマイナス点が目立ち、このような評価に。
少なくとも、実写版のお姉チャンバラよりかは見ていて楽しめる作品。あれは殺陣からして酷かった。
探偵はBARにいる。舞台は札幌ススキノ歓楽街。携帯電話をポリシーで持たない探偵(大泉洋)に、バーテンダーがそっと黒電話をさしだす。電話をかけてきたのは謎の女。依頼金は前金で銀行に振り込まれている。怪しいと思いつつ引き受けると、どうやらヤクザがからんでいるらしく、とんでもない目に会う。それでも謎の女のことが気になる探偵は、第二、第三の依頼を受けてしまう...
ハードボイルドをススキノ風に解釈した作風、松田龍平演じる相棒の運転手は寝るのが趣味だが空手の師範代。グリーンホーネットのカトーのコンビを思い出した。ヤクザのリーダーを演じるのは高嶋政伸。普段のイメージとはまったく違う髪の毛を垂らして黒のトレンチコートを着た不気味な殺し屋を演じている。 そしてストーリーの核心をになうのが小雪。清楚なようでしたたかな女をうまく演じている。
居酒屋、キャバクラの町を走る大泉の姿がとても印象に残るし、雪の札幌にポンコツ車が味があって見ているだけで楽しい作品にしあがっているけど、ちょっとストーリーに難があるのでは?と思いました。どうみてもそんな過去を持つ女と絶対結婚したりしないでしょう。
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