『日本銀行は信用できるか』から更に一段と歯に衣着せぬ日銀批判となっている。過去の日銀の金融政策とその論拠とするデータや日銀総裁の発言等の「トンでもぶり」「出鱈目ぶり」「迷走ぶり」をこれでもかというくらい、豊富なデータや他国(米・ニュ−ジーランド等)の金融政策の実例と成果を用いて徹底的に批判・反証・論破がされている。これだけ完膚にグラフや数式でしかも時系列にやっつけられたら、もうやられた方はグーの音も出まい。日銀とその応援団は反論できるのであろうか?これはもうチェックメイトを超えて筆誅の感すらある。そして逆説的だが日銀の組織の異常さと白川総裁の人間性までもが炙り出される結果となっている。あの日経が新書でこの内容で良く出版したものだと驚く。時代が変わったということか。P120の「証拠を示さずに断言してはならない。」の筆者の言葉どうりの内容である。 また藻谷氏以外は、無論名指しはされていないが、マスメディアやフォロワーの面々も一刀両断である。それにしてもP84に「経済学の本を読んだことのないと宣言している藻谷氏が、実質と名目の区別がつかないのはいた仕方ない。」と書かれているが、藻谷氏は反論しないのだろうか?これは経済学部の学生以下のレベルだから捨て置くとの意味にとれるからである。あと紙面の都合もあると思うが、河野龍太郎、佐々木融、増田悦佐、藤巻健史といった日銀応援団の連中を名指しでなで斬りにして頂いたらもう言うことなしである。それにしても年々ダメになっていく増田氏や、まさかのハイパーインフレ論を唱える藤巻氏を見るのは辛いことである。 最後に「何故、誰も日銀に異を唱えないか?」という問題は、単に日本の経済学会の従属の問題というより更に大変深刻な意味を含んでいるようにと思える。そこら辺も含めてまた継続的に、今後も時宜に合ったタイムリーな著作を期待したい。
同じ時期に出た『読売新聞特別縮刷版 東日本大震災 1か月の記録』に比べるとカラーの頁は抑えめ(カラー印刷だったのは3月13日の特別号外のみ)です。
余白が大きい分文字も小さめですが、記事のジャンル別の索引が充実しています。
新聞記事をもとに調べものする場合には重宝すると思います。
おまけみたいなもので、3月11日の号外原寸大が巻頭についています。
ついつい飲んでしまう味。いい香りで甘すぎず、お風呂上がりにぴったり。
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