物語のはじまりはタフで重く、中盤、痛々しく、最後は優しい気持ちになる映画です。
"多数の豪華出演者が集結!"リチャード・ヘル、ジョニー・サンダース、ジェリー・ノーラン、ディー・ディー・ラモーン、グレゴリー・コーソ他には間違いはないのですが、そんなに露出度は期待しないほうがいいかもしれません。しかし、PunkとBeat好きにはお薦めです。
このアルバムで一番カッコイイのはジャケット写真だろう!しかし本来のLPジャケットはジョニーの裸の上半身まで写された物でありピンボケ気味の写真の顔の部分だけアップにした本CDの写真は少し気持ち悪い、、J・サンダースがキース・リチャーズやボブ・ディランフリークと言うのは有名な話だが、このアルバムより先立つ事2年前B・ディランは「インフィデル(無神論者)」と言うアルバムでジャマイカ人の黒人ミュージシャンをリズム隊に起用した(スライ&ロビー)。僕はそんな事がジョニーの頭の中にあったんじゃないかと勝手に思うのであるがジョニーも本アルバムで黒人ミュージシャンをリズム隊として起用している。その事が1番成果として表れているのが5で、今迄の彼には無いダブッぽい曲。個人的にはこのアルバムのベストテイク(ゲストのウィルコ・ジョンソンがマシンガンギターで好演)!そんなところからもジョニーにとってB・ディランの影響力は凄い物だったんだろう。最近のDVDでの「俺は現代のB・ディラン」と言う彼の発言、後のSOCIETY MAKE ME SADやDISAPPOINTED IN YOU等の曲も僕にはディランっぽい曲調に聴こえる。彼のギターを強調した曲が少ないのが寂しいが、7は次作につながるパティ・パラディンとの共演。「早死にする人生がそんなにカッコイイか?」と歌う1や「僕、更生したから帰って来ておくれ」と恋人に歌う3(一時は寄りが戻ったらしいが)結局はそうはならなかった 麻薬に溺れてたのは判るが只だらしない人だったのか、その奥にあった物は何か。親しい人物が言う様に彼の心には悪魔が居たのか、何かに憑かれていたのか?そう思うと気の毒にもなって来る、、ケ・セラ・セラ なるようになってしまったJ・サンダース、、合掌。
New York dollsの1stアルバムの実質的なプロデューサー(トッド・ラングレンは現場から逃走してミックス・ダウンのみであった)であるジャック・ダグラスの回想によると、彼らがレコーディングスタジオに持ち込んだギターアンプはステージ用のいわゆる「マーシャルの三段積み」だったそうだ。当然、他の楽器に向けたマイクにまで轟音ギターサウンドが入って大弱りだったそうな。当然、こちらもそんなサウンドである。ジョニーも憧れるキース・リチャーズはレコーディングでは実は小型アンプを重用してたりするのだけれど…。
自分はこの作品を聴かずにR&Rを語ってる人を見ると腹の中で笑ってます。性格が悪いので教えません。ぷぷっ。
ピストルズ、クラッシュ、スリッツ、ジョニーサンダースといったパンクの重要バンドからオルターネイティブTVなどマニアックなバンドまでの演奏シーンやリハが収録されております。ボーナス映像にはジョンライドンと監督のドンレッツのインタビューも含まれており、この辺りの音が好きな人にはかなり楽しめる一本です。
そして突出しているのはジョニーロットン(当時)の歌の上手さとカリスマ性です。他のバンドと比べると雲泥の差があるんですよ、これが。やっぱり残る人は違うのかと思う反面、ジョニーサンダースの既にジャンキーで目がとんでいる姿にもなかなか惹きつけられるし、スリッツの女性バンドらしいちょっとした揉め事も微笑ましかったりします。あと、スージースーも意外に旨いのも驚きです。ま、とにかくパンクニューウェイブ好きにはお薦めです。
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